なにか、

ここ10年ほどで、実に質の悪い、教養に裏打ちされていない、いい年こいたオッサンの「政治的であるかに装った言動」が世間様を跋扈するようになりましたが。


最近で言えば、ネット上では「某のITマーケティング日記」とやらで現行憲法前文に反語として「感動する」などと宣い、醜悪な個人的感情を垂れ流していて、目を覆うばかり。訳知った事を衆人環境に垂れ流すなら、

(※筆者注:1946年当時)当時の共産党はまともだったのだ。どうしていまの日本共産党が、自分たちが議決に賛成しなかったのに「9条を守れ」とかいうのか謎。初志貫徹しなさい。

なんて言い掛かりに対しては「じゃあ、賛成議決を投じた当時の(そして今の)与党はどうなるんだ?」と言うしかないのだが。
せめて「自衛権放棄説」と「自然権としての個別的自衛権」廻りの議論を踏まえているなら、こんな賢しらな記述は恥ずかしくて俺には出来ないな、と。
つまり、いい加減な(そして醜悪な)こと書いてんじゃねぇよ、と。






自分の住む東京都では月末にまた選挙があって都知事を選ばないのいかんのだが。
人種差別集団代表の桜井某が立候補していて、立候補演説と称するヘイトスピーチを垂れ流すは、しかも結構な票数を集めそうだはで、末法感に咽返るばかり。


また、元『ワールドビジネスサテライト』アナウンサーの女性候補が、新聞各社の世論調査では勝ちそうな勢いなんだが。
少し調べると、人種差別集団やカルト的宗教団体と付き合いがあるし、今話題の日本会議とそれに伴う「親学」との関係もある。また、検証可能な発言や、評判レベルの話も加味すると、“ウヨク”というよりも、もっとプリミティブな“グロテスクな権威主義者”だと、俺には見えるな。


つか、そもそもからして、前の知事*1は公金の「セコイ使いみち」で辞任した筈なんだが、この人は秘書給与横流し疑惑など、かなり「黒い」んだが、そんな人が選挙で優勢って、世間様の方がどっか狂ってるとしか思えん。


あと、そんな彼女であるからし表現規制に対しても、強化されても、現状維持やましてや緩和されるとは思えないんだけどな。
でもまぁ、漫画好きの人等*2は、小池氏の魔法使いサリーちゃんのコスプレや、

「(マンガの中には)目をそむけたくなるものも中にはあり、そこをどのように線引きするか議論が必要でしょうね」

との発言を指して『交渉の出来る相手だ!』と狂喜乱舞している様が目に入ったりして、ガックリするしかないんだけどね。


「交渉」の結果、自分の好みの表現が線引き以下の「不健全な表現物」にカテゴライズされるかもしれない、なんて思わないのかいな、と。
まぁ、参院選山田太郎氏の持ち上げられ方も「山田氏は与党と交渉してくれた!ヲタクにとって初めての救世主だ!」なんつってやってた訳で、それいくらなんでも、過去に「有害コミック騒動」辺りでロビイングしていた作家達や弁護士、そして陳情を受けた所謂リベラル派議員たちに失礼だろ、と。
その程度の目配せで票を右に左にするのなら「ヲタク、ちょろいわ…www」くらいに思われるで。(つか、もう思われてんじゃないのか。)





まぁね、参院選でもそうだったし、ここ10年(いや、もっとかも?)ずっとそうだが、この都知事選も「こいつ(orこの政党)だけは当選させたらアカン」という態度で戦略的投票をせざる得ませんな。
まぁ、民主主義における投票行動は「ベスト、ではなく、なるたけマシな所に投票する」ってのが基本なんで、何か変な事をしている訳じゃないんだけどね。



地域共同体の、

そして「会社共同体」の包摂機能が失われて幾年月。近しい人がマズイ事をしでかしてる時に「お前、それは間違っているよ」と指摘よりかは、「華麗にスルー」するのが今様の世間様的には正しいのだろうが、私は「くうき読まずに」語り掛けるのが友人としての勤めと考えているので、そうさせて頂く。


ZUNさん、それ解かり難いで。せめて「どの部分が何故に」がないと、内容的にどうとも取れてしまうわけで。
まぁ、どうとでも取れる文章を書くのが目的なら、自分としては言うべき事は無いけどね。





まぁ、その件は別として、俺が今の日本国憲法の出自について語るなら、この事柄に関して語る方々の多くが当時は「連合軍にコテンパンに負けた」直後という状況がすっぽり抜け落ちているのではないかと思わざる得ない。


我が国が、「んならぁ、力勝負したらぁ」って手を出してしまった結果、ボロボロに負けてしまった(つか、そこまでダラダラ勝負を引っ張ってしまった)後でしょ。で、「お前、色々と迷惑掛たんやから、新しい行動指針(憲法)を自分等で考えーや」と言われた訳よ。
そこに、あまり変わり映えのしない憲法案出してきたら、力勝負して勝った側からすりゃ「てめぇ、ナメてんのか。誠意見せろやコラァ」ってなるでしょ。


押し付けも何も、そらそうなるよな、としか。


まぁ、70年余経てもなお「憲法に国民の義務を付け加える」なんつー原理原則から逸脱*3したスットコを声高に主張する団体が、時の政権に影響力を及ぼす事が出来るんだからね。今も昔もチッとも勉強しない人がたくさん居るのな、としか言いようが無いな、俺は。


つか、今の与党がやってる事ってのは、他の国から見りゃ「あ、こいつら、まがりなりにも一応先進国の仲間入り果たしたのに、自分から前近代に退行しようとしとる」ってな感じなのよな、たぶん。

*1:因みに自分は、前知事氏には投票しなかったけど、彼は「色々と金の使い方がむちゃくちゃ(オリンピック、新銀行東京尖閣資金等)な都の運営を何とかソフトランディングさせようとしていた」と見ているんで、あの辞任劇はオリンピックにジャンジャン金を支出しない態度が政権与党に嫌われたからと見ている

*2:いや、俺も漫画好きではあるけどさ。

*3:言うまでもなく、憲法は「国民から国家(権力)に対する指令」であって、国民に対する指令はただの「法」。