サンシャイン2057を

見に行った。
いやね、「掴み」ばかりのTVの広告観ただけで、まぁ、そういうデキの作品なんだろうな、と思ってたんだけど。ビジュアル優先、って事で。


だいたい、50年やそこらで太陽が…(ry
マンハッタン島ぐらいの大きさの核ごときで地球半径約109倍の天然核融合炉をだな…(ry
とか、観る前から色々ツッコミ所満載なんだけど、映画始まってみると、予想外に面白いやん、と。



いやね、だからと言って、シナリオにオリジナリティが、とかプロットが秀逸と言う訳でもないんですよ。
どちらかと言うとプロットはネタ多過ぎって感じだし。突っ込みどころは多いしね。


あと、観ていると、
「あ、エイリアンのオマージュ」
「2001年へのリスペク…(ry」
という具合なんだけどね。でもね、なんでか自分は観ていて引き込まれたんだよねぇ。



思うに、レイアウトというか、カメラポジションが新しい感じで。
そのカメラポジションで、何をどんな風に見せるか、というのが今までにない感じだなぁ、と。
ああいう宇宙船を見せるカメラポジションにありがちな「神の視点」を巧みに避けてる、というか。
また、「太陽光線」というもう一つの主役の見せ方が迫力があって良いんだな、と。



あと、編集も上手いんでないかと。
サブリミナル的な演出を入れてる所があって、そこだけは「それって成功してんのかなぁ」と疑問があったりしますけど。



また、前半は「スリル」な演出というかプロットだったりするんですが、後半は「ホラー」な感じにシフトするのは、えー、そう持っていきますかぁ、とは思う。ただ、まぁ、「ホラー」な部分の匂わせ方と移行の仕方は、まぁ、上手いんじゃないかな、と。もっと、ドッチラケな見せ方にもなり得たと思うんだな。



キャラクターの演出は、イギリスの監督らしいというか、ブラックな部分とか、哲学っぽい振る舞いとかがあって、自分は好きだなあ、と。
あと、キャラクターの「死に際」の描写がしつこい(笑)。アメリカ映画とか監督とかはこういうのしないだろうなぁ、と。それも味になってるよね、と。



またね、プロップデザインが良いな、と感じたんだけど。
ちょっと、どこが、といわれると、自分も困るんだけど、例えば、「ミッショントゥマーズ」の宇宙船はNASAの予想図っぽいデザインとかディテールを持っていると思うんだけど、なんか「リアリティ」が無い感じで。
つか、自分はここ20年程のアメリカの「未来デザイン」ってのは、どうにもダサい感じで好きじゃないんだけども。
そこらへん、イギリスの未来デザインは、ちと「手垢の付いてる」感がしてる気がするんだな。綺麗過ぎない、というか。エアロックの扉でさえ、リアリティあるなぁ、と見ていて思ったんだけど。
あ、けど、宇宙服というか「太陽服」はもう少しスタイリッシュでも良かったん違うか、とは思ったな。
まぁ、ちとデザインについては、説明しても、他人を納得させるのは難しいですが。



あと、CGというか、VFXについて。
つか、そんなにCGI使ってない気がするんだけど、どうだろ。
セット撮影とか、プロップ撮影が多い気がするなぁ。イカロス号全景とかはCGIだろうけど。
つか、太陽の熱、光の威力の「見せ方」が良く考えられている、と。それに伴って、火花とか、熱波とか表現に迫力があるな、と。
綺麗過ぎないんだよね。画面の収まりが良過ぎない、って感じでそれが逆に迫力になってるような。
太陽のフレアとかはイギリスのサイト見るとライティングで素材を作ってるみたいで「全部CGI」とかでは無い感じで。そこら辺は自分も同感で、テクスチャとかは実際に写真に取ったりスキャンしたり、燃やしたり流したり凍らせたり砕いてみたりした方が、「らしい」モノが作れるよね、と。まあ、その為には小さくても良いから作業場みたいなのがあると、手軽に、すぐに出来るんだけど、場所が無くて、その為だけに準備するのは結構大変だったりするんですけどね。



ま、とりあえずそんな感じで。
考証に厳密さを求めず、カメラポジションというか、カットの切り取り方に目が行く方は、見て損はしないかと。