ロケットまつり17に

行ってきた。面白かったなぁ、と。


今回はレギュラーの機体系の垣見氏、打ち上げ班長の林氏に加え、ゲストとして固体燃料系の永岡氏と酸化剤関係を担当された東氏のお二方。ホストはいつもの松浦氏とあさり氏で。(笹本氏は暑いのはダメという理由(?)で欠席)



まぁ、いつもの事だけど、あまり書きすぎると色々差障りがありそうなので、一部、まぁ大丈夫でしょう普通、という範囲だけ。

  • 永岡氏「糸川先生の前でエポキシ系の推進剤を燃やしたら、飛んだ。*1(笑)糸川先生が「これはロケットに使いましょう!」と仰った。」とか。
  • 東氏「戦後まもなくは、日本国内で調達できる酸化剤を調べるために農協を回ったんです」(化学肥料は組成は酸化剤と同じだから)とか。

へぇ〜、と感心させられる事しきり。

  • 固体燃料って如何に均一に燃やすか、と言うのが肝だ、と。
  • その為に、材料、組成、製造法、保管、どれにも気を使ってやる必要がある、と。
  • で、燃料のクラックは均一な燃焼には大敵で、その原因は基材の高分子化合物を成型する際に起こる残留応力と応力集中とか。そこを如何に残留応力を出さない様に製造工程を工夫して、さらに、応力集中の起こり難い形状を作るのが肝、と。

ここで(学部だけ出た)ニセ理系な自分だけども、プルーストのマドレーヌが如く、学生時代にやった実験を思い出した。アクリル樹脂の残留応力を光学干渉縞で観察する、ってヤツで。高分子の樹脂って外見は均一でも、固まる際に応力が残ってしまうんですな。
「あの実験をこんなとこで思い出すとは…」

  • で、日本の固体ロケットの技術は世界のトップレベルらしい。そして、それを実現しているのは「日本の現場」の力だ、と。それも、技術の上流部分だけでなくて、裾野の材料や部品を作ってる町工場の技術がトンでもなく高いんだ、と。それこそ「出来ないものはない」(永岡氏)という事らしい。

ほんとに日本の「現場の力」って凄いなぁ、と。*2
伺ったお話としてはこんなとこかと。
や、ほんとに面白かったです、ハイ。

*1:筒型の燃料の内側からゆっくり燃えて、その噴流で飛んだらしい

*2:あと、「近頃の日本って現場を軽視してるよね」という話も。