『カジノロワイヤル』は
数週間前に、そう言えばレンタルDVDで見たんだよなぁ、と。
んで、感想としては、良く出来てるなぁ、そして、ビックリしたなぁ、と。
てのはね、これまで007ってーのはさ、基本、女たらしでユーモアがあって、で強いよ、って感じで。ユーモアってのはアクション自体もそうで、チョッと下世話気味なジョークが混ぜてあったりしたんですなぁ。
あと、キャラ自身は完成された、定型としての007的な性格のキャラが、毎回違う敵を倒していく、って言う流れしかなかった、というか、「それが007シリーズってモンだろ」と。
いや、細部は、例えば敵の秘密兵器とかが大仕掛けなのが、リアリティを帯びたものになったり*1、原作に近い*2かそうでないかって違いは有るといえばあるんだけどね。
そこがね、全然違うんだな、ダニエル・クレイグ版の007は。
- アクションがガチ。ギャグ無し。本当に痛そうだし。
- 女たらし、では無い。「人妻の方が気楽でいい」なんて台詞があるけど、ソレは女性に対して真面目というか真摯の裏返し、ってのが分る。
- 一番大きいのが、お話がキャラの「成長物語」になってるのがね、すごい違うなー、と。
んで、お話自体も良く練り込んである感じで、今までは定番の落語を聴くとか、吉本新喜劇のいつものアレを見るような所があるのに比べて、全然退屈しないって感じだったなぁ。
あと、007のOPタイトルって、女性がヌードでダンスしてる所をシルエットで撮ったり、体にプロジェクタでクレジットを投影したり、上から合成される007のシルエットも銃から撃った射線が女性のハートを打ち抜いてバタバタ倒れていくっていう、「エロ風味」なもので。
でも今作は、シルエットや幾何学模様は変わんなくても、007が撃った弾丸は敵エージェントを倒してバラバラに崩れるのな。そしてエロ風味一切無し。
これは制作側の作品に対する意識がよく出てるなぁ、と。
もひとつ。
アバンタイトルと、ラストの台詞が「なるほど!」と。
「ココ」から始まって、色々あって、「コウ」なった、と。良く出来てます。
そんな訳で、自分としてはかなりの高評価。
年始には続作としての『慰めの報酬』が公開されるし、そちらも楽しみ。