知り合いの、

某氏には申し訳ないが、ここ数日の「はやぶさ」関係のネット上の盛り上がり(?)について。
自分は、以下で採り上げられている議論に大いに賛成。
なぜマスゴミは「はやぶさ」の快挙を伝えないの?的な意見へのカウンター - Togetter


  • まぁ、「ユーストとかニコとかに20万人集まってるのに生中継しないマスゴミはクソ」なんて言うのは、視聴率とか番組制作とか良く知らん素人意見だろうよ、と。
  • 20万で彼方此方のサイトがパンクで、ってなりゃ、なんかえらい大事な気もするかも知んないけど、20万なんて数字、関東地域の視聴率換算で0.5%でしかない訳で。他の地域に持っていけば、数字は跳ね上がるけど、それでもザックリ言って全国平均(ってのが出来るなら)1%弱がいいとこじゃね?と。
    生放送しろ!なんつー話は、もう一桁人数が増えてからなんじゃね、と。*1
  • あとさぁ、俺個人としては、「感動しますた」なんて話、ちょっと、なんだかなぁ、と。*2
    その感動ってのはさ、このプロジェクトに関しては、なんか詳しい一般人が多いから、ってのがあると思うのよね。
    はやぶさ」のプロジェクトとそれに関った人を貶めるので無く、例えば、「はやぶさ」を打ち上げた「ミュー・シリーズ」とか日本のロケットの開発や運用に関連する話にも、ドラマってのはある訳で。「みんな」が知らない、日本がこれまで打ち上げた宇宙機のそれぞれにもドラマはあったと思うんだよ。
    ましてや、「日本人としてウンたらカンたらで誇らしい」なんて言うのは、俺から見ると「“クラス”の“メンバ”の一つが同じで嬉しい」なんつー感じで、よく分らんよなー、と。
    つか、そういうワケの分らん共通項繋がりで、国家だとか「みんな」の期待だとかを、科学者に(だけじゃなく芸術家、クリエーターとかにも)「投影」するってのは、逆にそういうモノをダメにすると思うんだよね、俺は。
  • ネットに転がっている「はじめてのお使いできた」関係のイラストとかマンガは、読んで自分も涙がポロッと零れたりするけどさ、けど、それ、バッチリ「物語化」していて、ずるい所もあるよね、と思ったりするのよね。
    てのも、演出の手法ってのをキッチリ知っているなら、そら、「ネジ1本」にも泣ける話は書けたりするのよね。まして「はやぶさ」には色々とネタが多くて、それらのバックグラウンド・ストーリーを知っている人が多い訳だから、「思い入れ」もし易い、と。で、更に擬人化すれば、泣かない方がおかしい話で。
  • ちょっと話ずれるけど、同じ「物語のしくみ」的な所で、ちょっと引いて見ていたのがNHKの「プロジェクトX」な。あれって、バックグラウンドストーリーを番組の前半で仕込む、中盤で登場人物達が苦悩、そこで(かなり演出の入った)奇跡的な発想の転換とか偶然とかを切欠にブレイクスルー、っていう仕組みが、あまりにもあからさまで。

だからと言って、俺は「そういう良い話を含めて、宇宙開発は無視しとけばいいんだ」って言いたいんじゃないよ、と。
むしろ逆で、簡単に感動したり、見当外れな吹き上がりをした挙句、1ヶ月もしたら次の「感動ネタ」探しをするんじゃなくてさ、こういう「小惑星探査」なんていう、本来なら地味な研究について、少しの生活の時間を割いて勉強して興味を持つ人が多くなればいいな、と。
「これは意義が有るよね」と思えば、いろいろな形で応援していく。そして、その応援が「はやぶさ2」とかMk2とかに繋がっていく、という風になったらいいな、と。
そんな風に思ってるのな、と。

*1:それでも教育テレビで地味に中継がいい所だと思うけど。

*2:ここは某氏もそう変わらんのではないかと、勝手に想像