アニメ/CG りろーでっど

昨日、削除した文ですが、色々と自分で考えたり、ありがたいレスを頂いたりしたので、再度挑戦。
文面は前回の物と異なってます。バックアップ取ったりしていないので…

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某有名サイトから
http://artifact-jp.com/mt/archives/200311/oshiidvd.html

>ただ、全体的に動きのタイミングが遅い印象を受けて、アニメ的な動きの快感はあまり感じられませんでした。
>これは演出意図なのか、CGに合わせた技術的制約なのかが気になるところ。
>イベントの時に、バトーがコンビニでペットフードを取るシーンを正面から見るシーンは3D CG寄りのタイミング、横から見るシーンは人間の作画寄りのタイミングになっていると、今石氏が指摘していて、なるほどと思いました。
>この後に入るペットフードが落ちるシーンは思いっきりタイミングが遅かったんですが、アクションシーンが始まる直前のカットなので、あれは演出だったのかなあ。


やっぱりそうですか。自分もネットから「イノセンス」のトレイラーを落として見た時に、CGのタイミングが「遅くて、バトーのソレとずれている」と感じていたんです。私はてっきりマイss3500のグラフィック周りがプアなので処理落ちしているのかと思っていたんです。

で、上記のサイトでは、そのタイミングの「遅れ」を演出意図、又はCGの技術的制約が理由と考えているみたいですが、私にはそう思えません。アニメの特徴である動きの快感、ケレン味が感じられない、また、手描き部分とCG部分のズレは違和感を感じさせる訳ですから、やはり、これはただ単に「イケてない」って事だと思います。

そしてそれは、少なくとも、CGの技術的制約が原因ではありません(断言)。
劇場作品のしかも「イノセンス級」の作品なら、観客に違和感を抱かせないよう、それどころか、更なる視覚的快感を生めるところまで突っ込んでCGを制作しても良いのではないかと思うのです。

作業工程を察するに、まず、原画、タイミングシートがCGパートに降りてくる。タイミングシートに割れたガラスが落下する、又はペットフードが落ちる動きの、スタート点、エンド点が指定してあって、その尺で3DCGソフトで物理シュミレーションする。その上にあがって来た動画のデータを合成して見てみると「画がずれてる訳じゃないけど、なぁ〜んか遅いなぁ、タイミングがずれているなぁ」という事ではないかと…。

考えてみると、動画のキャラクターが動くタイミングは「自然の観察+アニメーターによるケレン味」で「目で見て心地良い動き」になっています。で、3DCGソフトによるシュミュレーションはあくまでv=m*g(gは重力加速度)で動きをつけていますので、トレーラーのガラス割れカットなら、「バトーの世界のなか割り(≒加速度)とシュミュレーションの加速度(なか割り)」は当然異なっていて、違和感が出ると…。

でも、これを指して「技術的制約」にはなりません。少なくとも2つほど解決方法があるはずです。

一つは、手描きの動画と、CGをAfterEffectsなどの動画編集ソフトに読み込んで、CGの世界の加速度をアニメの前ツメ、後ツメのある世界のタイミングに調整してやることです。ただこれだけだと、ツメの結果、時間が延びてる部分の絵はソフトで勝手に補完される(2枚の絵が薄く重ねあわされる)ので、劇場作品なら、時間調整して補完の入ってる連番の絵を再度3DCGソフトに「テンプレート」として読み込んで、それに合わせてタイミングを取り直してレンダリングしなおす。
あるいは、シュミュレーションの絵を2倍、3倍のコマ数でレンダリングしておいて、コマを抜くことでタイミング調整する、というものです。(「CG(もしくはシュミュレーション)の意味ないじゃん」って感想を持たれる方もいるかもしれませんが、CGのためにカットがあるわけでなくて、「イケてる」カットのためにCGがある訳ですから、無問題です。また割れたガラス1枚1枚作画するよりはいいはずです…)

(つづく)