で、ですね、

私は単純に、以上の理由で「この作品のCGはダメだめじゃ〜ん」って言いたいのではないんです。そんなの「お子様」です。

では、なぜこんなにヌルイ進行具合の日記サイトでこんな文章を公開するのかっ、て言うとですね、よくアニメ関係者のトークショウやアニメーターさんのサイトなどで「CGってイケてないよね〜(苦笑)」みたいな話が出てきたりする事があるんです。
で、確かに目に映るものは「イケてない」訳ですから「画がイケてる奴がスベカラク偉い」アニメーターさんの世界でCGの評価が低くなるのは当然と思います。

でも、デジタル業界の隅っこの方でチマチマ仕事しているだけの自分ではありますが、ひとこと言いたい。

「それはちょっと違いますよ」と。

3DCGも手描きの動画と同様、連続した画像の集合でしかありません。よって、CG「だから」イケてないなんて事はありえません。


今の日本アニメの制作工程は、手描き故の作業工程を数十年かけて構築されたものです(かならずしも理想的に機能しているとは言えないにしても)が、CG工程がアニメの現場に組み込まれたのはここ数年の事です。
ですから、私にはCGの絡んだ「イケてない」カットを見るにつけ、何か、アニメ制作者はCGの効果的な使い方がまだ掴みきれてないのではないか、と思うのです。いや、「使い方」って表現自体間違っていますね。アニメの制作現場のヒエラルキーにCG制作現場を「付け加え」るのでなく、3DCGの制作現場が「イケてる」画を創ろうとするフォメーションの中の1パートとして機能できれば、とスウプは思うのです。


手描きでは実現が非常に困難な動きがあるように、CGでも表現が不得手なカットが存在します。
でも、手描きの現場と3DCGの現場が建設的なやり取りをする事で克服できることが大半のはずです。(それでもCGカットに出来、不出来は出てくるでしょうが、それは「スキル差」って事であって、手描きの世界と何ら変わりありません)

また3DCGの制作現場も、CM、アニメ、VPなど、それぞれのCGへの専門化の必要が出てきているのかも知れません。例えばCM、アニメで制作の「ノリ」って違うのではないかと思いますし…。


#なにかナイーブな意見に聞こえる人もいるかもしれません。が、私は現状追認だけでは何の進歩も生まれないと考えますので、悪しからず。