なんだか

だいぶ前にARTIFACTさんとこに張った、自分がイノセンスのCGについて書いた記事のトラックバック経由で人が来ているみたいで。(といっても、一ケタなんですがね。だけど順位別で2位だし。)


なんで、ネット上で見かけた「CGだから○○だ」な言及に対して、久し振りに毒吐いてみる。


アニオタニュース、現アニオタフォースさんの12/3「荒牧伸志インタビュー」のエントリの中の一文。

大体3D作品というとリアルさを追求しすぎるのと、ツールに頼っている(キーフレーム打てば動きを補間してくれるから)あまり、アクションシーンが面白くないモノがほとんどなんだが、珍しくアップルシードはアクションシーンが面白い。


・リアルさを追求しすぎる
・ツールに頼っている(キーの補完をソフトがするから)

アクションシーンが面白くない


と…。


だーかーらー。(;´Д`)


アクションシーンが面白くないってのは、リアルさを追求、とか、ツールに頼ってる、って理由でなく、単に「担当クリエーターの能力が低い」って事だと思うのね。(あるいは、「能力を発揮できないような進行、環境で仕事せざる得なかった」という事だろうと。)


キー補完をするから良い動きが付けられない、って事であれば、ソレはアニメの世界で言うと、動きに対して原画枚数が全然足りなくて、動画も全然頭使わずに動画割りしてしまった、と言う事だと思うのさ。


なんで、CGソフトのキー補完が悪いのでなく、「必要なキー指定(=原画)ができないクリエーター」が悪いので。動きに魅力が無いと感じたなら、それは「CGだから」ではありませんヨ。


また、「リアルさを追求する」っては何を指して言ってるのかイマイチはっきりしないけど、多分それも、「担当クリエーターに絵心が無い」って事であろう、と。
実写の世界だって、カット単位でライティング変えたり、物動かしたり、旧来の「特殊効果」を使ったりして、魅力あるカットにしている訳で、もしCGオペレータが「いや、このシーンはこういう設定です!」って事でCGシーンをカット毎に弄る事を怠っているなら、それはエンタテイメント映像って物を分かってない、って事だろうと思うし。
もし、物理シュミレーションなんかを指して、カッコ悪い動き、と言っているなら、それは、「担当クリエーターのパラメータの調整不足」って事だろうと。シュミレーションっていっても、重力加速度とか、マンマの数値入れても「かっこいい、『らしい』動き」にはなんないし。


だからこれも「CGだから」ではありませんヨ。


で、CGから離れるけど、「アクションシーンの面白さ」って、実は「動き」とかCG云々よりも、「コンテ、レイアウト、編集」で決まるように思うんです、自分は。


CGオペレータ特有の感覚なのかもしれないけど、CGキャラ2対が格闘していたとして、全く同じ動きをしていても「間の抜けたカメラ位置、カメラフレーム、編集タイミング」と、「優秀なそれら」のシーケンスでは映像的魅力が全然違いますな。*1動きそのものが少々ヘボくても、ゴマケちゃうという。


キャラ動きとカメラのフレーミングの決定が同時に発生する「手描き」の世界じゃ解り難い感覚かも知んないですが。

*1:格闘で無いけど、イニシャルDのカーバトルがシリーズが進むにつれて、いかに進化するかが参考になるかと。