エンスージア買ってきた

で、やってみた。


短く言わせてもらうと。
「会社の命令で「グランツーリスモの対抗作品を作れ!」と「命令されて」出来たゲーム」
ってトコでしょうか。


スポーツドライビングってば、どこでアクセルを踏み、シフトし、どこでブレーキを踏み、ステアリングを必要なだけ切り込む事で車をコントロールしてコースを征服する、という事だと思うのよ。
で、ソレがイメージ通り決まったり、タイムが向上したりする事に「人車一体」と言うような快感があると思うのですよ。



で、そういうエンタテイメントが全くありませんね、と。



教習コースみたいなのがあって、コース上に並んでる車速が表示される「的」を次々にヒットして、ラインとブレーキコントロールを身に付させようとしているのだけど、そうじゃないでしょ、と。


「的」にヒットすることに注意が行ってしまって、(また、ヒットし損ねると、教習が進まないので)とてもコース取りが身につくように思えないのですね。結果どうなるかと言うと、アクセルをヒョコヒョコ煽って、適正とされるスピードで「的」を倒す、そんな「ゲームな」ドライブになる訳ですよ。


スポーツドライビングって、「このタイミングでブレーキ踏んで、ステア切って、ここまできた時にアクセルをグァーッと、、、。」みたいな「流れ」というか「タイミング」のものだと思うのね。
チマチマ「的」を倒していく、そんなのんびりした物じゃない、と思うのですよ。
また、的がコース上に沢山並んでるので、「コーナーの先を見通す」というスポーツドライビングに大事なんではないかと思われる事も出来ないし。
その教習で身に付させたい「テーマ」も希薄だし。



また、レース自体もねぇ。
まず、コースが(実在のは別にして)大味。どんなライン取りしても走れる、っていうような。
それは、多分、上で書いたような「スポーツドライビングの流れ」みたいなのが意識されてないからじゃないかと。どこでブレーキ踏んでも、アクセル抜いても、アクセル踏んでも走れちゃう、レースで勝てちゃう、という。
VGSっていうGとタイヤグリップのインジケーターが表示されるんだけど、ドライビングの最中にインジケーター見て「あ、グリップやばいからアクセル抜いて…」なんて、ありえないしね。それは、誇張も含めてGTフォースProにFFBする事やろ、と。
縁石に乗っただけで黒旗→原点とは、こは如何に、と。縁石を積極的に使った走りを否定するのか、と*1。だからなのかどうなのか、GTに比べて縁石に乗ったときのFFBがほとんど無いんですよね。
車の挙動が、ハンドルに反映されるのが遅いんちやうかと。ひょっとしたら現状の方が「リアル」なのかもしれない。けど、乗りゲーって、いわゆる現実の「尻センサー」は使えない訳であるから、そこは「強調」って事で、少しダイレクトにハンドルに戻したほうが「リアリティ」があるのと違うか、と。


あと、ドライビングの「ガイド」が無いのね。
GTには、次のコーナーで取るべきシフト、ブレーキングのタイミングを表示する、とてもシンプルなインジケーターがあるのですが。こいつが無いと初めてのコースとか、初めての車とかでレースするの無理だと思うんですよ。当該コーナーを何キロで回る(=何速で回る)のが限界か、なんて、素人が5周10周走った位じゃ分からないし。
それに相当するものが無いのね、エンスージアには。
そりゃ、ユーザーに勝ってもらう(=楽しんでもらう)には、敵車も相当遅く設定しないとならないし、コースも相当大味に作らないとイカンわな、と。
実在コースは、レース関係の雑誌なんかを探せば、そのコーナーでのシフトポイント、車速なんか載ってるだろうけど、それを探さんとイカンというのは、またハードルが高い話だね、と。
オリジナルコースは、どこ捜してもそんなの無いし。



で、当初はGTとエンスージアのドライビングにおける「リアリティ」対決、って観点からこのレビューを書こうと思っていたのですが、そこまで行き着けません。その手前のところで、「淡々とゲームをこなす」モードに誘導された、って感じで。



で、以上からね、漏れはね、開発した人たちって、スポーツドライビング、別に好きでもなんでも無いんじゃないか、と思ったんですね。
ターゲットになるGTをガンガンやり込んだ訳でも無いんじゃないかと。
(仮想であれ、リアルであれ)ドライビングしてたら、「それ、変だと思いませんか。」ってな仕掛けがしてあるわけで。
「ドライビングシュミュレーターはそのままに、GTのネガ潰しをする」つもりが、「スポーツドライビングさせてくれないゲーム」になりましたね、と。


そんな感じです、ハイ。

*1:接触したらHPが減る、って事自体はそんなに悪くない。むしろ、接触のペナルティとしてうまいやり方ではないかと、漏れ様は評価してます