BBCの

番組で、「Top Gear」ってのがあるんですが。
自動車関係の番組で、日本で言えば、まぁ、あえて言うなら「CGTV」ってのがそれに当たるかな、と。フェラーリメルセデスみたいな車を紹介するかと思えば、100ポンド以下で買える中古車、見たいなネタもあったり、なかなか楽しめるな、と。
以前は、CSのBBCチャンネルでしか見れなかったんだけど、今年に入ってからはYAHOO動画で見れるようになってるのな。


動画ならGYAO!ストア


で、CGTVと同じような番組で、わざわざBBCの奴まで見るなんてどんだけ車好きですか、ってな感じかもしれませんが、自分は自動車免許取ったと同時に「枯れてしまった」元自動車好きなんで、好きが動機で見てるわけじゃないんだけども。




なら、何で見ているかと。
「CGTV」ってのは、「エンスージャスト」って言葉を日本では殆ど「車好き」の意味として定着させた感のあるCarGraphicのテレビ番組らしく、お行儀が良いというか、ユーモアがない、と言うか。
対して、「Top Gear」は、イギリス流のキッツいブラックユーモアというか、イカれている、というか。そして、それらのいかれたユーモアを、注意して見れば分かるけど、すんげー金掛けてやってます、この番組。あと、日本では有り得ないほど登場する自動車をはっきりと批評をするのな。
そころ辺がとんでもなく、面白い、と。
そしてなによりも、そんな番組をイギリス国営放送のBBCが作ってます、と。




まぁ、見てもらえば分かるけど、新型のレンジローバーチャレンジャー2戦車の対決とか、メルセデスSLR McLaren対飛行機で船でロンドンからノルウェーオスロまで「どっちが早く着けるか対決」、同じくブガッティ・ヴェイロンvsセスナ機とか、ヴィンテージカーであっても、ガンガン走ってガンガン壊してジャンジャン直して、日米みたいに決して車を「飾り物」にはしないイギリスらしく、60年代のアストン・マーティンDB5は冷却水漏らしながらもサーキットを走るは、ジャガーEタイプはドリフトするは、おまけに運輸大臣がサーキットでTT挑戦するし。日本のD1チームが出てくる回もあったな。
あと、会話の端々に出てくるイギリス流のユーモアが良いですね。抱腹絶倒だな。字幕を読みつつも生の会話の方も注意して聞くと、翻訳で落ちた部分で更に笑えるのでお得ですよ、と。



つかね、ハチャメチャなんだけど、下品ではないんだよね。ユーモアもね。
車を評価する軸も、含蓄があって誠に宜しいと思うし、映像も丁寧に撮影してあって、極めて美しい。
そのハチャメチャな部分と真面目に自動車を語る部分の対比と言うか、バランスが良いんだな。
私の敬愛する開高健はエッセイでこう書いている。

清純だけを書いていてはだめなんだ。

(中略)

ドラマと言うものは、反対物をどれだけ定着させるかということにある。
人間は矛盾の動物である。本当のコクというものは、目指しているものの反対物をどれだけ吸収、合併、昇華させるかということにある。これは、文学、演劇、映画 ― いっさいの芸術表現の真髄である。

と。


てか、一つ思い浮かぶことがあって。
それは、GTとForza2の事で。
GTってね、こう、趣味を押し付けてくるところが感じられるのな、自分には。どうだコレは美しいだろ、カッコいいだろ、と。
で、それしか提供してくれないのな。だから、GTがこの先いくら進化しようとも、ユーザーが「勝手に」車体にペイントするような事は許さない感じがするんだな。
で、そんなとこが御行儀の良い「CGTV」を髣髴とさせるな、と。
Forza2はペイントで遊べるし、TTヲタクでずっとすごす事も出来るし、ネット対戦マニア、チューニング・ヲタクであっても良いし、更にチューンした車をネットの向こうの誰かに売っても良いし、ペイントはアメリカのサイトでは毎週のようにコンテストが開かれていて、TTランキングも、トーナメント戦も開かれていて、ヲタ・ピュアごた混ぜの自由さがあるよね、と。




まぁ、この最後のForza2、GTについては、余談でしかないんだけども、一つ自分が密かに恐れているいることがあって。「Top Gear」のシーズン9は前述のようにYAHOOでも見れるし、少し前はCSのBBCワールドで30分に短縮されたバージョンが見られたんだけれど、それ以降の、現在本国でやっているシーズン10はどうなるんだろうね、と。
まさか、GRAN TURISMO TV独占とか、そんな事無いでしょうな、と。