この頃読んだ

漫画とか本とか。
てか、こういうレビューめいたエントリって、久し振りよなぁ、と。
そいういうのから遠ざかった理由は…、まぁ、何となく自覚はしているんだけど、長くなりそうなのでまたの機会に。


○「砂ぼうず 14巻」
やー、4年ぶりの新刊ですか。本屋で、「あれ?コレ、既刊かな、どうなんだろ」と自分で分からなかったんだが、帯に「4年ぶり」の記述を発見して、ようやく購入。


作品自体は面白かったんだけど、伏線の張り方とか、コンテの分かり易さ加減で、以前に比べて荒削りだなぁ、と思っていたら、巻末インタビューによると、大病されてたみたいね。
作者さんは、初期のパワードスーツ物やバイク物の「キラーBOY」の頃から印象に残る作家さん(お名前は「EATER」以降に認識した)なので、無理せず、体力回復して、書き続けていただけるといいなぁ、と。





○「勝つために戦え(監督編)」
俺、今あまり裕福でないのにねー、エッセイっていうか、インタビュー本買ってしまいましたよ。
でも、押井監督の、こういう視点て自分は好きなんで、ま、いいか、と。


で、中で、SFってディテールに対する拘りが無いと撮れないんじゃないかと思うんだよねー、みたいな話が出てくるんだけど、それ読んで、「あー、俺はソレ、AVATAR見たときに思ったなー」と。
以前から、90年代後半以降のSF洋画って、なーんかダサいって言うか、こう、ヲタク心を擽られないんだけど、何でかなぁ、と思っていたんだよね。その時は、単純に、プロップデザインが、アメリカンテイストの大味なデザインになってたから、つまりは(フィクションの)インダストリアル・デザイン、意匠の問題と思っていたんだけどね。



ソレがさ、AVATAR見て「あ。」と思ったんだけど。
まぁ、純粋に意匠の問題もあるけれど、より重要なのは、劇中にSFな「ディテール」が盛り込まれてるかどうか、って方の影響が大なんだな、と、そんな風に思ったのな。
「ディテール」が盛り込まれてるかどうかってのはさ、どういう事かというと、カッチョいい、例えば「気密ドア」がギミックたっぷりに開いたり閉まったりする様を、ショットに含めるかどうか、ってトコよな。
そう言うカットが、AVATARには含まれるのな。
気密ドアが開く様とかさ、輸送機のパイロットが、目の前のシースルーのディスプレイを開けたり閉めたりする、とかさ。そういうギミックをわざわざ見せてくれるカットってのが。
エヴァなんかで言うと、武装ビル地上展開する前に、ライフラインのパイプラインが切り離されて、「ガショーン、ガショーン、ガショーン」と防護シャッターが閉まっていくバンクカットとか。
実写で言えば、アポロ打ち上げの際に、アンビリカル・ケーブルがバコッと外れるとか。



そりゃ90年代後半以降も、SF映画ってのは作られ続けているんだけど、そこら辺のギミックをわざわざ見せる、ってのが弱い感じがするのな。で、自分のヲタ心はイマイチ揺さぶられない、と。
んで、そういうギミックとかディテールに拘れる監督、逆にそういうのに拘りが向かなくて、つまりはキャラクターを見せる事にしか意識が向かない、“普通の”監督に分かれるのではないか、とかナントカ。



他にも色々面白い話多し。
ま、値段分の価値はあったかな、と。