韓国GP決勝

日本GPの事も書かななー、と。


やー、しかし、コース建設も含めて、所謂"Racing"とは違う場所で、「見所」が多かったねぇ、と。


ベッテル「ブレーキングポイントがもう見えない!」
ハミルトン「まだ走れるよ!」
FIA「そろそろ止めにしても良いけど、どうしようかねー」
エンジンがボン!そして勝ったのはアロンソで、しかもランキング・トップって…。
そんなのもあって、FIAもレースを途中で切ること出来なかったんじゃないかなぁ。中断したらそのタイミングの事で、いろんな方面からとやかく言われるのは必至だからね。無理くり日没までレースしたように見えたよねぇ、と。




その他にも諸々のコース上で事件が起こって、結果アロンソが表彰台のトップを占める事になった訳だが、これはアロンソのレーススタイル、「その瞬間における最善の走りをする、決して投げない」って走り方が効いたんだろうねぇ、と。



日本GPではトップ2台よりアロンソ遅かったのではなく、「アレがあのコース、天候、マシンでは最善の走り」という事だったんでしょう。それが分かれば、日本GPも決して退屈なものでなく、目に見えない火花が散る"Racing"だったと思うね、自分は。
それはベッテルについても同じで、日本GPの第2、3コーナー辺りで見ていると、彼は2コーナー脱出後のアウトの縁石の踏み方から、もう本当に「ギリギリ」の所を攻めてるのが分かるのな。偶に土埃が上がってたしね。決してRB6の速さに寄り掛かって走ってたわけじゃないんだよね。



話し戻すと、そうやって決して投げない走りをしていた結果、ライバル達、つまりウェーバーは勝手にスッ転んだ上にベッテルはまさかのエンジンブローで、チャンピオン争いで一番劣勢だった自分が、表彰台トップでランキングもトップ、と。そら笑い声も自然、出てくるよね、と。
ただ、その瞬間、その瞬間、で必要な最善の走り、ってのは言葉にしては単純だけど、そうそう誰にでも出来る事ではないんですよね。



ベッテルはもう、不幸としか言いようがないよね。何でこのタイミングで、しかもブロックかオイルパン破るようなエンジンブローて。
天候も気温が低かったわけで、まぁ、最後にベッテルと話していたエンジニアが笑顔で送り出していたのは、ま、「仕方ないよね、どうしようもない」といった所なんだろうね、と。



ウェーバーとバトン、彼らちょっと集中力が途切れたんだろうね。けど、そんな事では、そういう面で「マシーン」と形容してよいアロンソには勝てないというか、こういうレースでしてやられてしまうんだろうな。



ハミルトン。
「まだまだ走れるよ!」
イジョ。



そして、我らが可夢偉
や、速いは当然だけど、彼は本当に「強い」ドライバーよなぁ、と。
今日でも何回、他車が寄ってきたり目の前でクルリと回ったり、ヒヤリとしたシーンがあっただろうか。でも、終盤にはぶつけられたりしても、結局チームメイトの前で走り切ってポイントも獲得したわけで、文句無しだよねぇ、と。
ブツけたりブツけられたり、無理して壁に張り付いたりってのが、自分の記憶する所、カナダGPのあれを最後にピタッと無くなったから*1(追記:あー、シンガポールについては本人が「攻め過ぎた」と認めてるのな。ま、しかし、安心してレースを見てられるという俺の印象は大して変わらないけれど)、その点、彼も「2度と同様のミスをしない」という意味でアロンソと同じ類のマインドセットが出来てるんだろうな。


そして、隙あらばズバッと抜く、と。
日本GPでも、あの抜き方は危ないとか、一部のF1ファンや当たったチームの関係者とか言ってるみたいだけど、自分は「や、けどアレは別にいいんじゃないか。レース上でのインシデント(アクシデントで無く)じゃないのかなぁ」と。ぶつかったと言っても、タイヤとタイヤが当たったり、サイドポンツーン同士で当たったりしているんで、当たって抜かれた方は、それ以前にそこまで「前に出られている」ワケで、そう言う意味で隙を突かれているだけだと思うんだよね。
本当に無茶、危険なら、ウィングやタイヤ飛ばしたり、っていう結果になると思うんだよね。


つか、可夢偉って、相当コスイというか、悪い意味でなくタチの悪い走りが出来るというか、やっていると思うんだよね。
今日もCS放送で言っていたけど、後ろからフォースインディアがストレートで迫ってきたとしても、続くコーナーで「飛び出しやすい場所に」追いやってから、抜かせる、とか。で、抜いた方はやっぱりコーナーできついから、コーナー出口では可夢偉が抜き返す、と。
上で書いた、こんなトコで、というタイミングでズバッと抜くとしても、「当たり場所」までも考えてやっているんじゃないか、と俺は思うんだな。
最たるものは、今はやってないだろうけど*2、去年のブラジルでバトンが抜こうとした所、自車の進路を微妙にブラして、後方気流を乱して抜かせない、とかさ。
そう言うところも彼の「強さ」よなぁ、と。


で、そう言う強さって、チャンと速さが伴っているなら、F1GPで戦っていくのに必要だと思うんだよね。「皇帝」を見よ!在りし日のセナを見よ!決して行儀のいいレーシングドライバーじゃないだろ、と。
あ、けど、本当に速さが伴っていたら、の話ね。速さが無いなら単に「ならず者」だからね。



もう一つ、コレはあまり論理的でない話だけどさ、強いドライバーって少々のアクシデントでも、全然平気で走っていくのよな。
今日も終盤に、日本GPのお返しとばかり、フォースインディアに鼻をねじ込まれていたけれど。
けど、結果として回ってしまったのは、相手の方だったよね、と。
面白いのは、自分は学生の頃自転車に乗っていて聞いたことなんだけど、競輪でも最後のスプリントで肘が当たったり、頭がぶつかったりの「肉弾戦」があるんだけど。そこでも、走りが速い選手がそういうボディコンタクトには負けなくて、「強い」らしいんだ。
冷静に考えれば、体力的に余裕がある方が、少々腕やら肘やらぶつけられても車体を抑えることが出来て、進路を保持できる、そうでなければハンドルを持っていかれてスッ転んでしまう、と言う事で。
だから、可夢偉もひょっとしたら、周りの車が良く見えているというか、他のドライバーに比べて「見ることが出来る」んじゃないかな。
そう言う理由もあって、エッという所で抜くし、当たっても強いし、目の前でクルリと回られても避けれるし、と。


そんな意味では、「ファイター」であった琢磨とは少し違うと感じていて。琢磨はドライビングの差なのか、あるいは車が「あまりにもアレ」だったのか、ファイトを仕掛けるにしても、線の細い、ギリギリの所で相手の懐に飛び込む的な所があったと思うんだよね。
だから、結果が「当たった」でなく「クラッシュ」に終わってしまってた様な気がするんだ。当時から自分は、前車に付いて行くので精一杯、少ないチャンスを狙うが勢い余って当たってしまう、って感触があったんだよね、CS放送見ていて。




なんか長々と書いてしまったな。
あ、コースについては、アスファルトが剥がれたりという事が無かったのは、なにより。ダートが多かったりしたのは、突貫工事で芝生なんて根をしっかり張ってない筈だから、仕方ないでしょ。その程度のトラブルなんざ他のサーキットでもいくらでもあるんじゃないかな。
けど、まぁ、半年とか1年位前にはコースは完成させて、ローカルレースをいくつかやって、そしてシーズンオフに小改修くらいの余裕があったほうがよかったよね、とは思う。
その点、FIAなのかFOAも、なんか無理やり今GPを強行しようという意図みたいなのが有った様な気がするんだけど、それは俺の気のせいだろうか。
ま、今回のGPについてはそんなトコで。

*1:シンガポールはどういう経緯でああなったか良く分からんので保留

*2:国際映像で晒された事と、中島Jrをクラッシュに追いやった事もあってか