なんだか、終わってみると、

ろくすっぽダイアリーも書けない位の忙しさとなってしまったな、今年は。これで、それなりに稼げていたり(例えば、躊躇いも無くレーサー(自転車)が買えたり組み立てが出来たり)すれば良いのだけど、そういう訳でもないんでね。
で、更に禄でもない事に、年越しでお仕事する羽目になってしまって、色々とアレなので、気晴らしにダイアリーを書いておこうか、と。世間様の動向も色々とナニなものでね。

まぁ、正直なところ、

忙しいって事もあるけど、日記書く頻度が減ったのは、近年、余りダイアリーで自分の意見とか物の見方とか、世間に晒すって言う事に、意味を見出せないなぁ、なんてとこが有ったのね。


その理由は何かと言うと、なんかこう、日本の世間様ってのは、あまし論理を必要としない、言語で語っても意味が無いような、そんな気分になってしまったのよね。
理由とか、実際に起こる、起こった事、を吟味して判断する、ってのは殆ど無くて、日本の世間の人々ってのは(いや、俺も生粋の日本人だけどさ)、ポジショントークがデフォっていうか、映画『獄門島』の本鬼頭と分鬼頭みたく、「どっちに属しているか」で意見が決まる、みたいな。属している立場によって言う事考える事が決まっているんだなぁ、と。
でもって、論理や現実ではなく「属しているモノの『くうき』」で自分の意見や考え方が決まるから、右見て左見て、といった事で『くうき』読むのがエライ大事な事になる。相手側の事情や論理は知らん、と。
それは何もネット上の事だけでなく、例えば仕事の面でも、そうなんだけれど。


俺的には、

十代の頃からそういった考えはある程度持っていたんだが、痛感させられる様になったのは先の原発事故以降だなぁ。
あ、いや、もしかしたら、そのチョッと前の民主党政権の鳩山氏・小沢氏が(身内に)降ろされた時からかな。

んでも、

スゲー不思議なのは、「くうきを読む」ってのがスゲー大事な文化の筈なのに、わが国の総理がよりによってこのタイミングで靖国を参拝するとかね、外しまくりの空気の読め無さってのは一体ナンなんだ、と。


ネット上では「なぜ俺たちの安倍ちゃんだけが!」とか「何処をお参りしようが自由だろ!」とか、俺からしてみたら頓珍漢な物言いが目に付くんだが、まぁ、結果は、韓国中国は勿論だが、まさかの米大使館、ダメ押しで米国務省、加えてEU、おまけにロシアにまで非難声明だされる、というね。
それでも分かんないのかな、みたいな感じで、防衛大臣と国防長官の電話会談が米側の申し出により中止。
こんな、くうき読めない奴、身の回りで居たらどういう扱い受けるというか、己がどう扱うかなんて考えたら、少しゾッとしませんか。
*1


日本じゃ「くうき読む」なんて言い方するけど、西洋風に言うと「コンテクストを読む」なんて言い方がある。
で、わが国の総理はあからさまに「コンテクスト」を見誤り、つか、先方からすると「あからさまに無視」してるんで、そりゃね、と。

つか、就任以来まともにオバマ氏との会談もセットさせてもらってないしな。
前々から石原やら橋下やら、今の日本てチョッとヤバイかも位には思われてたんだろうし、相手の立場に立ってみたら、こんだけフラグ立ててやってコレか、てなもんじゃないか。
東アジアのキナ臭さを消そうと、アレコレやってんのに、ナニ考えてんだ、と。
そりゃ前代未聞の「駐日大使館がdisappointed*2との声明を即出す」事にもなるわな。



でさ、「くうき」と「コンテクスト」って、微妙な違いがあるみたいで。
「コンテクスト」てのは「コン・テクスト」であって、「テクスト」とセットというか、「テクスト」は「コンテクスト」というかその言葉が発せられた文脈・背景とセットで、「実の所」を考えるのがフツーというか。
だから、

    • いくら「不戦の誓い」の声明を出したとしても、「このヤロウ「war shrine」で言ってやがる。」

ってなもんで、全然テクストについて信用されないやね、と。
あと、我が国が「しっかり説明し、誤解を解いていく」なんていうフォローをしているみたいだけど、所謂「言い回し」としては理解されるけど、素で言うと「ナニか、俺の理解力が足りないとでも!?」といった所だからなぁ、フォローにも何にもならん、という。




また、今回ロシアまで声明出してるんだけど、コレは今までに無かったのではないか。(いや、大使館声明も無いけどさ)。で、これについては、俺的には「あの前段があったからか?」と思い当たる事がある。

それは、2013年4月に行われた安倍首相とプーチン大統領の共同会見での事で、この席でプーチン氏は北方領土に関する日本の記者の質問に

「もしこのプロセスを妨げたいならばそれも可能です。
そのためには激しく直接に質問し、同じように激しくて直接の回答を得ることができます。
 それ以外の方法はないと思います」

と返答し、"日本の"まとめサイトやらでは、TBS記者の間抜け質問にプーチン*3ブチギレ呆れる、とある。


でも、それは、映像やソレを検証したサイトを参考にするとニュアンスが違う、っていうか、スピン掛かってんじゃね、みたいな。


プーチン氏が問題にしたのは、質問の文面そのもの、つまりテクスト、ではなく、隣の安倍首相と件の記者が『メモを読み上げつつ』プーチン氏に「ロシアによる実効支配が強まっているが今後も同じような政策を北方領土に対して継続するのか」と振ってきた事だろう。

    • 両者がメモを読み上げる = 台本が向こう側には既にある
    • 一記者が書き上げた台本を言われるままに政府が採り上げる筈も無いから、こいつらグルだ。
    • しかも、返答次第では国家的失点になりかねないデリケートな問題を、公の場で振ってくるだと!?

って事なんじゃないか。少なくとも零細自営業者の俺ですらそのくらいの知恵は回る。いわんや、KGB出身のプーチンがそういうコンテクストを見逃す筈は無い。だから、

「(TBSの記者に)質問者のおまえの後ろにいるやつに言っとけ」
「驚いたのはこの質問を記者が紙に書いてあるのを読んでる。帰って失礼だと伝えろ。」
「我々が集まったのは平和条約を結ぶためだ。余計な刺激はいらない」

といった様な返答になった訳だな。で、当然「後ろにいる奴」=「外務省・首相」な訳で。
「激しくて直接の回答を得ることができます。」
なんて、
「やるのか?コラ!」
ってなもんでしょ。
向こうからしたら、テメー俺を嵌めるつもりか?と思われても不思議はないやね。
(しっかし、プーチン氏は即席でこういう返答が出来るってのが凄いなぁ。)


てな訳でさ。
色々と現政権、そしてソレに連なる高級官僚達ってのは、向こうの面子より自分の(国内のある部分向けの)面子を優先して、方々に「失礼」を働いてるよな、ってのが俺の見立て。
てか、そういう「コンテクスト」を読み違えたか無視して、自分らの「くうき」を優先して、80年程前にエライ目に遭ったんじゃなかったっけ?


世界最強の軍事力を持つ国、世界最大の国土を持ち軍事力も1位に次ぐ国、世界最多の人口と世界最大の市場になりうる国、日本と50km程度しか離れていない国、それら全部と「上手くやっていくつもりも無い」、そういう政権は、一寸てか、かなり怖いんだが。


向こうの都合は知らん俺の個人的な嗜好が優先だ!ってのは反応としてあるのは分かるが、まぁそんなクダラナイモノは個人のファンタジーに留めて置いてくれよ、と。


追記:
つかね、真面目な話、「あ、こいつら話しても分からん『アカン奴や』」なんてコンセンサス出来てしまったら、もう完全にアウトでっせ…。

*1:まぁ、数年前に自衛隊首脳の不適切発言について書いたとき、俺のダイアリーに「何を言うか、あの連隊長殿は日本軍人の気概を示されたのである!」なんつってリンク張って来た輩が居たが、そういう人らには、安倍氏は「日本の(そしてひいては俺の)誇り」ってなもんなんだろうなぁ。

*2:フツーこういうのってdeep concern位の言い回しじゃないのかな?どうなんだろ。

*3:なんでかプーチン大統領は日本のネトウヨ界隈にも人気があるよね。