この前、

自転車の週末ライド中に、ゲリラ豪雨の中を走る羽目になって。
そして翌週末に走り出すと、Jetstream P8のリアサスが底付きを起こしている事に気づく。走っているうちに症状が酷くなってきて、戻ってくる頃にはコンプレッションが殆ど掛からないとか、ピストンロッドの端からオイルがどんどん滲み出してくるとか。


あいやー、これはリア・ショックが壊れたな、と。
まぁ、走行距離はそれほどとは言え、買ってから7年ほど経っているし、ゲリラ豪雨で変な所に水が入ったのかも知れんし、壊れても不思議な事ではないよな、と。


取敢えず、ショック・ユニットを外してみる。
そんな上等な自転車でもないし、ショック本体にバルブやら調整機構は無かったので中身はエラストマー式だろうなと思っていたのに、リア・ショックを外して見てビックリ、どうやらガス/オイル式だった様で。
とはいえ、シールやらの補修部品が売っている様な、そんな「クラス」の部品でもないので、ショック・ユニットを交換だな、とネットやらで色々調べたり、壊れたショックの各部に定規を当てたり。



で、どうやら,

自分の07'Jetstream P8のショックは、軸間距離が125mmで、レデューサーが24mm、取り付けボルトが8mm、というものらしい。(年式によって違うらしい。09'は150mmのユニットだとか。作業する方は各自、要確認です。)


これに合うリア・ショックを検索してみるが、日本で手軽に入手出来るのは「KIND SHOCK A5-RE」位しか見当たらない。
そもそも、アフターマーケット・パーツのショックで軸間125mmの物は殆ど無いのな、165mm〜200mm辺りの長さの物が主流で。
まぁ、125mmみたいな小さいユニットは、今は見掛け無いサス付きクロスバイクとか「なんちゃってMTB」とかの用途くらいしかないので、当然といえば当然。むしろアフターマーケットで手に入るの方がラッキーなのかも。


そういう訳で他と選ぶ所も無いので、早速発注。
ボルトは今付いているヤツを流用するとして、ショック本体と、メーカー固有のレデューサーを2セット計4個。レデューサーは一つの軸に1セット2個必要なので、両端軸で2セット要る。(自分はセットと個数を勘違いして後から追加発注する羽目に。)



ところで、

自分の発注したショックは、レデューサーがデフォルトで自分の自転車とは合わない22mmの物が嵌っているらしく、ネット上で硬くて外れ難いという記述を見かけたので、ハンズでボルト、ナット、ワッシャーを手に入れて、「レデューサー押し出し工具」をつくった。
コレは、「自作 ヘッド圧入工具」で検索すると色々出てくるヘッド小物の圧入工具を参考に、ミニチュアにした応用版である。


そうやって準備はしていたのだが、そのレデューサーの差し替え作業自体も少々難儀だった。
シリンダー側の端のヤツは、半分ほど押し出せばペンチで挟んで抜く事が出来たし、24mmのレデューサーも手でグッと押し込む事が出来たのだが、ロッド側は工具で完全に押し出さないと抜けないほど嵌め合いがきつかった。
新しいレデューサーを当てがっても、穴に掛からないほど寸法が厳しく、結局、「押し出し工具」を仕立て直して“圧入”しないと入らなかった。
ショックの製造誤差か組付け誤差だろうけど、上等なショック・ユニットは数万円するところ、これは6千円程度な訳だからして、まぁ、そういうもんだろう。


そんなこんなで、ようやくレデューサーを差替えて、後は文字通り“ボルトオン”で無事ショック・ユニットが交換できた。
壊れたガス/オイル式の前のやつに比べて、エア/オイルフリクション式のA5-REは(量ってはいないけど)100gは軽いので(またその軽く作れるってのが、現在エア式が全盛である理由らしい)それだけでも交換する意味があったな、と。



装着後は、

エアばねのショックだからして、別途用意したショック・ポンプでエアばねの空気圧を調整して、所謂「サグ調整」をする。
トラベルが20mmのユニットだから、取敢えず20%でサグ出しすると20mm×20%=4mmとなり、体重だけの加重時に4mmストロークする様にショックポンプの減圧ボタンで、エアばねの圧を徐々に減らしていく。
検索すればすぐ分かる事だけど、自転車のショック一般は、空気容量が少ない割りに高圧な事から、この圧調整は、ほんの僅かな量の空気で圧調整する事になる。よって、専用のショックポンプが必要で、また、ゲージと減圧ボタンが(それらが付いていない物もあるが)必須機能となる。


少しづつ圧を抜きつつ、その都度サドルに静かに座って体重を掛け、ロッドのOリングとシリンダーの間が4mmとなった事を定規で確認し、本体のエアバルブのキャップを閉める。


そんなこんなで、

ようやっと、また走れるようになった。
早速、近所をぐるっと1周して動作確認。まずは正常に機能しているようだ。
前の調整のしようが無いガス/オイル・ショックとは違って、コレはエア圧を自分の体重に丁度いいように合わせているという事もあるのか、心持ちショックが良く動いている様に思う。そこら辺はショック・ポンプで調整自在だから、気分によって硬くしたり柔らかくしたりしてみてもいいな、と。


まぁ、ショック付きなどギミックが増えると、こうやって故障やメンテ箇所が増える訳ね。やっぱしロードなんかはそこら辺シンプルよな。(とは言え、ロードでも近年は電動メカとか、特殊なスポークの完組みホイールとか、来年辺りから流行りそうな油圧ディスクとか、壊れたときに手間掛かりそうな物は増えているけどね。)