追記
つか、「トゥモロー・ワールド」の長回しって良く言及されているんだけども、自分は、本作における長回しの特徴として、「ワザとらしくない長回し」というのが有るんではないかと思っていて。
わざとらしい長回しって、今頭に思い浮かぶのは、例えばタランティーノの「ジャッキー・ブラウン」の冒頭、パム・グリアが空港のムービングウォークを歩く様を、延々と横位置で捉えるオープニングタイトルがそうだな。
あ、キューブリックのシャイニングもそうか。
同じレイアウトを延々と捉えるとか、カットが切り替わって欲しい所を裏切って切り替えないとか、観客が酔いそうなカメラの動きとか。
つまり、観客の違和感を煽る、というかそんな感じで。
でも「トゥモロー・ワールド」のそれは、確かに長回しなんだけど、ボーっと見ていたらスルーしてしまいそうな、自分にはそんな感じがするんだよね。
カメラが同じレイアウトを延々捉え続ける訳じゃないし、「トゥモロー・ワールド」の車の中のカットなんかは、濃い人なら「ん?カメラどこに置いているんだ?」ってなるけど、普通の人はそこには気が行かないんじゃないかと思うんだよね。カメラの「振り」つまりレイアウトの変化も、「カットの切換」に近いタイミングになっているんじゃないかと*1。
だから「わざとらしさ」が少ない、と。