CSで

『V・フォー・ヴァンデッタ』をよくやっていて、それをよく見ているんだけど。
以前と合わせて都合3回程見てるんだけど、自分、結構好きなのよね、この作品。



まぁ、荒唐無稽とか、ツッコミ所満載やろ、とかで好きじゃなかったり評価低い人は多いかも知んないなぁ、と思いつつも、自分は戯曲と思って見ていて、面白いなぁ、と。



ヒロインのナタリー・ポートマンがカワエエ(*´д`*)。
ただ、最初に登場するファーストシーンでは、とても凡庸な、「え?これ、ナタリー・ポートマン?」って思う程の存在感の無さで。フェイスレスというか、印象に全く残らない感じというか。
それが、話が進むにつれ、どんどん魅力的になるのな。や、魅力的というか、目に力が宿る感じ、というか。
話の進みに反比例して、化粧は減っていく*1、はては髪を刈られてしまうんだけど、魅力はどんどん強くなっていく、という。


映画の意図を、911以降の世界にある、ある種の「窮屈さ」に対するアンチテーゼと捉えると、このメイクの演出は偶然でなくて、はっきりとした意図があるんじゃないかなー、とか思ったり。
作品中のエピソードも、そういうのを踏まえた「ネタ」になってると思うんで、まぁ、意図があるのはほぼ確実かと。*2あと、そこら辺の演出意図というか作品のノリが、『トゥモロー・ワールド』と似てる感じが。




対するヒーローたる「V」のキャラ作りも好きだなぁ、と。
戯曲的な台詞回し、が良いなぁ、と。こう、ウィットがね、入る感じなのよね。引用とかね。
また、マスクをする事によってジェスチャによる感情表現が必須となってるんだけど、台詞の語り口とセットで、素の表情を見るよりか饒舌なキャラになってるよなぁ、と。
で、いざ敵と戦うとやたら強いってのが、余計カッコいいなぁ、と。


同じダークヒーローとしては、バットマンとか他にも色々いるけれど、みなダーク故の苦悩が云々、みたいな側面があって。そういうのよりかは、自分はこの「V」みたいな饒舌でウィットの入るキャラの方が面白いって言うか、例えばラストのシリアスなシーンでも深みが出て良いよね、と。




前に「ヴァスケス」について色々検索した流れで、この作品についても検索してみたら「V」の中の人って、マトリックスの「エージェント・スミス」の人なのな。なるほど、あの魅力的な台詞回しも納得。
つか、語り口は変えてあるのに、ソレを知って以降は「V」が喋るごとに「エージェント・スミス」の映像が頭に浮かんで困る。


あと、ウィキペディアには、ラスト近くの「無数の「V」」の中に素のヒューゴ・ウィーヴィングがいる、との記述があるんだけど、自分が見たところでは、その無数の「V」と対峙する治安軍の小隊長だか分隊長の役*3で出てる気がするんだけど。
いや、ビデオに録ったりDVDで確認したりした訳じゃないんで、確実・絶対って話ではないんですけど。

*1:や、メイクはしてあるんだと思うんだけどね、映画の撮影だし。でもメイクをしていたとしても、その意図は「すっぴん」よな、と。

*2:や、まぁ自分は原作読んでないんだけど、映画版は色々変更が入れられてるらしいし、演出そのものが、もう、そこら辺を意識してる筈ない、って感じなんで。

*3:将軍でなく