タヒチでの

地震と、阪神大震災のあった日が近かったりした事もあるのか、「「地震の時は水をためろ」はウソ」という記事と、さらにそのウソって言うのは嘘でしょ、っていうダイアリーが話題になってるみたいですなぁ。


まぁ、あの震災については自分も何回か書いているんで、自分の見聞きした事をチョッと書いておこうか、と。
んで、何回か書いている事だけど、都市型地震への対応って、最初の12時間、3日、1週間って感じで、タイムスパンによって、すべき事なされるべき事/すべきでない事なされるべきでない事、って違ってくると思うんだな。
(以下、描写的にどうよ、ってのもあるんで折り畳みます)



で、地震発生12時間くらいまでの行動としてはトイレ用に水を貯めるってのは、あながち間違いじゃないよな、と。
オレ、実はあの時、両足が柱の下敷きになって病院に運び込まれたんだけど、まぁ、幸いな事に骨折してなくて、両足捻挫だったんだけど動こうにも動けない、おまけに家は全壊というか倒壊というか木っ端微塵で行くアテも無いから、病院の待合室のソファに転がっていたんだが。その場所ってのが、トイレの前だったんだな。
んで、見る見るうちに汚物が積み上がって、ブースから溢れてたな。


まぁ、オレが転がってたのが、震災時に人々が集まる病院てのもあって余計に、なんだけど、でも夫婦に子供2人位の家族が朝に排出する量を考えると、とりあえず水を確保して個別の生活環境を衛生的に保つのも間違いじゃないよ、と。


その水を貯める行為が、他の人の迷惑になるって?
や、その場合は、困ってる人に自分が確保した水を分け与えましょう、ってのが正解じゃないかな。つか、そういうの、あの現場では結構見られたことだと思うんだが。
過剰な気遣いで近所一帯だれも水を確保してなくて、っていう状態の方がよほど悲惨な気がするよ。
3日以降はまた別になると思うけど、域外からの援助がいきわたり始める3日間は、そんな間違ってないと思うな。


あと、分け与えるなんて事が、あんな状況で起こるはずもない、って思う人がいるかも知んないけど、全部が全部とはよう言わんけど、そうでもないと思うよ。
当時知り合いで、域外で工務店営んでる人と話した事を紹介しておくと、
『家が壊れたお客さんで、震災の酷い地域の人ほど「私のウチよりも、ずっと大変な人がいますから、そっちを先に直してあげてください」って言うんだよな。逆に、瓦が落ちた位の大した被害もない人が「はよ直しに来い」って煩いんや。たまらんで。』
って言ってたな。証明にはならんけど、ま、そんなもんだと思うよ。


また、貴重な水は料理に使えよ、ってーのも、都市部大震災で最初の3日間は当てはまらんだろうナ。
つかさ、料理する気になんてならんて。地面がニュルニュル動くは、建物はバラバラに崩れてるは、知り合いがバンバン死んでたり行方不明だったりしたら。既にある食料か、域外からの弁当に頼らざる得ないと思うよ。
料理できたら、そら、被害が大した事ない地域なんじゃね、と思うな俺は。





電話もねー、通じるんだったら、誰か親戚で域外に住んでる人一人には連絡すべきだな。
んで、その人から、他の親戚友人、会社等へと連絡してもらうのが正解なんじゃないかな。親戚に域外に助け出してもらうという「自助」を行うにも、居場所や状況を知らせる事が出来ないとどうにもならんからね。


伝言ダイアルがあるっていう話もあるんだけど、それって事前に親戚間で取り決めしとかないと難しい感じが。被災者の「報告」は聞くことが出来るけど、外にいる親戚類の「質問」というか訊きたい事は伝わらないしな。つか、親戚って言っても付き合い薄い人らも居るし、親戚よりか友人って人もいるだろうから、自分が「この人なら、連絡役として頼れる」と思う人1人に掛けるってのがいいんじゃないかな、と。

ま、けど、電話については「通じるなら」ってのが大きいよな。
あと、消防や自衛隊の出動要請、被害状況の確保に使うべき、ってのもなぁ。ソレこそ一般からの要請なんて、彼ら受けられないと思うんだよね、キャパオーバーで。彼らが自律的に動いて、プロの判断で救助の順位付けをせざる得ない筈なんだよね。
だいたいさ、消防、警察、自衛隊は自前の無線という情報伝達手段を持っているしな。あましそこまで気にする必要も無いんでないかと。




車もなぁ、重傷者を運ぶためならドシドシ使うべきでしょ。
つか、オレのオカンはそうやって近所の人の自家用車で病院まで運んでもらったし。
震災発生12時間の、緊急に人を救助しないといけない初動のタイミングでは、消防やら自衛隊やら待ってても来ない(来れない)からね。




あと、お約束だけど、震災グッズとして懐中電灯やら十徳ナイフやらラジオやら用意すべしってあるんだけど。
オレ、そういうのTVとかで見ても思うんだけど、ほんとに意味あるのかなぁ、と。自宅の瓦礫の中から後から拾って来てもいいんじゃね?と。
本当に意味があると思うのは、まずは、戸棚類が転けない様にする突っ張り棒、そして、手の届く所に靴、だな。
突っ張り棒は、まぁ、最初の一撃で重傷負わ無い様にするのが一番大事、って事で。
靴は、まぁ、都市型震災に遭遇すると自明に近いね。ガラスやら食器が割れたのやらで、言わなくても穿く羽目になりますから。
笛は下敷きになった場合に自分の存在を知らせる為に有効だと思うけど、いつ来るか分らん震災の為に肌身離さず持つのは、現実問題としては難しい感じがするんだよなー。


ちなみに、話題になってるの見た事無いけど、建物の下敷き等の対応で威力が発揮されるんじゃないかと思うのが、車のジャッキ。
俺もオカンも、近所の人が車のジャッキ持って来てくれたから助け出されたんだよね。
つか、近所の人と、自宅倒壊時にたまたま投げ出された場所が良かったオトンが、最初、俺が挟まれた柱を鋸で切ろうとしたんだけど、しょぼい10センチ角位の柱でも簡単には切れんですよ。
で、オレがたまたま思いついて、「すみません、車のジャッキ持ってきてください!」って頼んで持ってきてもらったんだよね。量産品のジャッキでも1tは上げられる訳だからね。んで、より深いところに埋まっていたオカンも、奇跡的に位置を特定されて、ジャッキ数本で瓦礫を持ち挙げて助け出されたのよね。



「大人だとタンスの下敷きになったくらいじゃ怪我もしません」ってのは、ソレは無いわ。
俺の知り合いでも、2、3人はそれで死んでるしな。中が空だったら別かも知んないけど、普通に服やら本やら詰まってたら、まぁ重症は確実かと。



あと、コレは別の人のコメだけど「夙川は神戸じゃないだろうとつっこんでおく。」ってのは、言ってる当人やソレに釣られてる人こそ、現場知らんでしょ、と。
テレビに映ってるのが神戸近辺ばかりだったんで、そう思うのかも知んないけど、夙川もかなりの被害ですよ。


追記:
上のコメを付けた人自身は、当時神戸で被災された「現地の事が判っている人」だと、当人のダイアリーで表明されていた。そのコメを採り上げてる人が、解釈間違えている、という事みたいだ。



つか、既に書いてる人もいるけど、地震てさ、円形に広がるもんじゃなくて、辺り一帯の地盤の弱い所や、断層で繋がってるところで揺れが大きくなるのよ、見た感じ。だから、飛び地みたいに周辺に被害が甚大な地域が散ばる感じのはずなんだな。
俺んち神戸じゃないけどさ、辺り全壊だらけだったりするし。西宮でも新幹線の高架が落ちたりしてるし。更に離れた大阪府でも被害甚大な地域があったと思うんだけど。自衛隊千僧駐屯地近くの塚口駅の壊れっぷりは、当時良くTVでも採り上げられてたと思うんだけどな。




ま、そんな感じでな、自身にもアレは人生変えられるような、そんな出来事だったりするんでな、他にツッコミ入ってるの分ってても、言わずにはおれんかったりしたんで書いてみた、と。ま、そんな感じで。