前のエントリで

3DSについて、やぁ、コレは凄いねぇ、なんて書いたけど、どこがどう凄く感じたのか殆ど書いてなかったな、と。
多分、自分の中でもどう言語化したら良いか良く分ってなかったんだと思う。


で、その言語化をやってみる。上手く行くかどうか分らないけど。
俺みたいに初代ファミコンのコントローラーの習得し損なって、そこから“ゲーム世代”に加われなかった、そんな人間からすると、ゲームってモニタの向こうの、フラグを立てる作業よね、と、極端に言えばそんな風なものなんだな。
だから自分はXBOXのForzaシリーズ厨でもあるけれど、ハンドルコントローラーでないとやる気が起きないし、あくまでもForzaは良く出来たシミュレーターとして見ているのな。



てな訳で、NGPが裏面コントローラを乗っけてきたり、CPUコアが4個であったりしても、まぁ、ご家庭のPCやCS機でやってたゲームを手元で、という程度のものでしかないな、俺にとっては、と。


じゃ、3DSだって、立体視な液晶ディスプレイが乗ってるだけ、、、では無かったんだ、少し触らせてもらった結果では。
つか、今までの所謂「ゲーム」の延長線上で企画を立てると、その通り、「立体視出来るだけ」で終わるだろうな。
そこら辺、任天堂3DSを発売するに当たって顔撃つヤツとかARカードで遊ぶヤツとかの、「おまけゲーム」を付けてきたのは、大きいと思うんだな。聞けば、任天堂って、そういう「おまけゲーム」を付けたりは、今までしてこなかったらしいじゃない。
つまりはさ、この「おまけゲーム」を一つの基準にしてください、コレより凄いもの作ってください、3DSは今までの「ディスプレイの向こう」のゲーム作っていたら駄目ですよ、という事なん違うかと。


その「おまけゲーム」なんだけどさ、どれも、

  • 3Dカメラで目の前の実景を取り込む
  • →そこにARカードでキャラを合成
  • →コントローラを弄ると目の前の実景にいるキャラが動いたり、アクションしたり
  • 3DSもって回り込むと、本当に反対側に回りこめる

で、コレを全て立体視ディスプレイで3Dとして見る訳だ。
つまりは、「ディスプレイの向こう」ではなく、「ディスプレイから飛び出た」でもなく、お客さんの目の前の現実世界にゲームの世界を引きずり出そう、引きずり出せるハードですよ、と、そう言う意図があると思うんだよ、自分は。


「顔撃ちゲーム」なんて酷く(褒め)てさ、3Dカメラで捉えた現実の背景に、自分や友達の顔の写真貼り付けたキャラが飛んでくるんでソレを撃ち落すんだけど、キャラがさ、出現するのは殆ど画面外なんだぜ?
で、画面にコッチこっち、と矢印がでるので、そちら方面に3DSを振るとだな、ゲーム機体の動きと同期して敵が現れるのさ。
つまりは、わざわざ3DSを振らせる事によって、敵キャラがお客さんの周りの空間を飛んでるんですよ、と強調しているのさ、多分。


や、だからね、その「ゲームの世界をユーザーの目の前に引きずり出す」事に焦点を絞ったハードとしか自分には思えないんだな。
その為に、バッテリー稼働時間を犠牲にしてまでCPUを強化してる*1し、3Dカメラと、ジャイロと、ARと、クラムシェル筐体でカメラを正面向けたまま振り回せる、この4点が同時に存在していないとイカン訳さ。
どれか一つ欠けても、そう、NGPみたいな平たい筐体であっただけで、「ゲーム世界を目の前に引きずり出す」という意図は達成できないと思うんだな。



ま、多分俺は、そこら辺の任天堂3DSに対する作り込みの深さ、強烈な意思、に惹かれたんだな。
だから多分、3DS買ったとしても、そこら辺のハードに込められた意図に忠実な「おまけゲーム」でずっと遊んでるかもしれない。
その意図を汲み取れてない開発者の、「ただ立体視に対応してみました」的なゲームは買わないだろうな。
実はラブプラスなんかは前から興味だけはあって、iPad版が出たら買ってみようかな、なんて思っていたりもしたんだが、もし3DSラブプラスが、3DSの拠って立つところを十分に汲み取れてなかったら、やはり買う事は無いだろうなぁ、と。


や、上手くすればね「今までに見たことも無いようなゲーム」が、このハード構成のおかげで出てくる、そんな可能性があると思うんだよね、3DSはね。

*1:決してNGPの様な「コアが4つですッ!!」ていう事ではないんだな。