3日目に

行ってきた。
昨日書いたように、興味のあるジャンル(創作、メカミリ)が西館東館と思いっきり離れていたので、購買自体は低調で。
しかし、本当に興味のある・読みたい本を買う事になったので、残念な思いはしていないのだけど。ま、けど、創作ジャンルの島をブラブラ回って、スゲーとかカッコイイとかで目に付いた本と出会う、なんて事が出来なかったのが残念だけども。



そんなこんなもあって、今回のコミケで買った本は、全て積んでもその厚さが10センチ行かない位だったんだけども。
その10センチ中で、まぁ2センチは占めてるヨねぇ、ってのが「昭和の衛星屋さん・星を作った男」(ロケットまつり事務局)でして。宇宙開発ヲタなら知らない筈の無い「ロケットまつり」ブランドで、しかも「風虎通信」さんの隣のテーブルですからね、まぁ、そちら方面が好きなら買っとけ、と。
しかし、事前情報では「冊子」みたいな話を聞いていたので、B5で30Pほどの「薄くて高い」いわゆる同人誌を想定して行ったのだが。現物見てみるとB6版の厚さ2センチで、背表紙、カバー付き、紙の厚さも同人誌のソレでは無くて、どう見たって書店売りの本でしょ、コレ。やー書店売りの前のプレ販売なんだろうかねぇ、と思っていたんですが。
取敢えず1冊確保して、歩きながら見てみると「はて?出版社が無い?」小売価格も書いていない、ISBNも無い。しかし、体裁はどう見たって商業本。


…???



そんな事もあって、会場を一回りした後「中の人」に訊いてみると、商業本ではない、と。
じゃ、何かというと、「中の人」は出版業界の中の人でもあるのだが、所謂「プロの犯行」ってやつだと。普段仕事で培った技を、同人で使ってみました、という事らしい。
なんでそんな事になったかと言うと、この本、日本の衛星開発史的にとても価値のある内容なのだが、商業ベースに乗せるのは無理がある(私も確かにそう思う)。普通のお客さんが手に取ってみるまでのハードルが高いし、普通のお客さんを誘い込もうとすると内容的に2割程度に「薄め」なければならないので、この様な形で世に出す事になった、と。
ああ、成る程、そういう事なのか、と。



ともあれ、こういう形で、(その内の2回程は自分も見に行っているが)日本の衛星開発の黎明期に仕事に携わった小野氏の講義が手に入れられてとても喜ばしい。




で、そのお隣の、例によって例の「風虎通信」さんの新刊「プロトンロケット」も確保したり、ドイツ連邦の試作戦車についての本とか、ポロポロ買い求めて、友人とかそのお友達とかと挨拶して帰宅。
まぁ、色々楽しかったな、と。




さて、その風虎通信さんの「プロトンロケット」本なんかもそうなんだが、著者の方のツイッターなんかを見ていると、当然の事なんだけど海外の文献・書籍を取り寄せて、それらを資料に同人誌を書かれている。
「ドイツ連邦試作戦車」本も参考文献一覧を見てもソレが分るし。
で、自分が思ったのは、確かにこの日本では「昭和の衛星屋さん」本を商業ベースに載せるのは難しそうだなぁ、とは自分も何とはなしに思う事なんだけど、では「プロトン」や「試作戦車」の参考文献となってる海外の書籍は、ナニゆえに「書籍」として流通出来ているのだろう?
日本でも同人誌にISBNを振ってアマゾンで流通させる、というのは上の「中の人」との会話や、コミケの次の週にあったコミティア*1でも、そういう作品を見かけはしたけど、ここで述べてる海外の、ディープな、どう見たって部数が出るとは思えない、例えば「液体燃料ロケットエンジンの本」とかは、ソレとはチト違う、所謂「キチンとした書籍」なんじゃないのか、と。
池袋にある、有名なヲタ趣味に近しい洋書を扱っている店に行くと、ホント、「こんなの誰が読むんだ」と思いつつもそのコアさ加減にニマニマしてしまう洋書が、文字通りの「山」を成していたりする。
まぁ、日本では同人誌という手段があるジャマイカ、て事で片付けていいのかも知んないけど、海外でそう言う書籍が、ナニゆえに流通できてるのか、その原因てのが知りたいなぁ、と思ったな、と。

*1:このダイアリ・エントリを書いているのは8/25。