1ヶ月ぶりの

夏休みを挟んだスパF1の予選。


お!可夢偉、暫定2位か。調子いいみたいねー。ヽ(´ー`)ノ
あれ?アロンソは?(;´Д`)
ライコネン…来ない?Σ(゚д゚) エッ!?
ペレスも来ない。
ハミルトンも…コネ━(゚д゚;)━!!


え?ええっ!?
なんすか、可夢偉、文句無しの自力で予選2位ですか!
いやいやいやいや、コレはホントに凄い、スゲーッスなぁ!



いやね、何が良いって、なんかラッキーがあったとか、上位がペナルティで落ちていったとか、たまたまの神掛り的な1周で2位を取ったワケではなく、その時のマシンの出来、出走のタイミング=チーム戦略の妥当さ、そして本人の走りが噛み合って、誠に「フツーに」取れた2位だってことだと俺は思ったなぁ。


そこら辺、なんか所謂「気合」とか、某右京さんみたく「念」だかなんだか精神的に特殊な状態でアレとかコレとかでなく、それこそバトンやハミルトンやアロンソみたいな「フツー」さで、ああ、今日は上手く行ったな、感じで2位だったのが良かったなぁ、と、俺なんかは感じるのよね。


ソレは最後の上位者インタビューでも現れていて、殊更に嬉しそうな感じでもなく、かと言って緊張バリバリの硬い表情でもなく、「フツーに」英語で、だけど日本人らしくない言葉数の多さで、自分やチーム状況を答えていたのが、キチンと、しかし当然に仕事できてます、って感じでね。
やー、明日の決勝は、俺は「フツーに」楽しみだなぁ。



けど面白かったのが、いつも英語圏以外の選手は、最後は母国語でインタビューを繰り返すんだけど、可夢偉の日本語のインタビューは「応援してくださった皆様、有り難う御座いました」的な、言葉少なくてテンプレ的な、如何にも日本人ぽい受け応えで、答え終ってから横の(日本人についていくらか知っている)バトンと顔を見合わせて笑ってた事だな、と。



で、続いて自転車の「ヴェルタ」なんか見ているんだけど、自転車レースでも、このレースに出ている土井選手といい、ツールでの新城選手といい、ヨーロッパのグランツールで「フツー」に、しかし目立つ走りで「仕事」をキッチリしている、って姿が3年くらい見られるようになったのが、本と自分には信じられない。こんなシーン、俺が生きているうちには見られないだろうな、なんて根拠なく思っていたからなぁ。


だって、俺がレーサーに乗ってた頃って、国際試合でタイムトライアル系の種目で、日本人選手のみが当時既に当たり前となっていた空力で有利なファニーバイクを使わず、しかも勝てない理由を、連盟だかなんだかのエライさんが「ブルホーン・ハンドルを使いこなすには強力な背筋が必要で、故に背筋の弱い日本人は外人選手には敵わない」*1などと言う「迷」解説を言っただか言わないだの、そんな状況だからなぁ。



つかね、日本人のF1ドライバーやロード選手が、その業界内でフツーに仕事が出来るようになったのって、その業界でフツーな選手生活してきて揉まれて、その中で残ってきたから、って事なんだと思うんだよね。
で、今までは、それが出来なかった、と。
それまでは、F1ドライバーならメーカーと強く繋がってエンジン付で、みたいな感じだったし、ロードなら日本企業お抱えの実業団で走る位しかなかったのよね。
そこを、可夢偉は「エンジン付」では無いとデビュー当時にF1の解説で聞いたし(今もフェラーリ・エンジンだし)、ロード選手も、市川雅俊選手が体格を生かした登りの強さを武器に、単身で活動していた頃を皮切りに、その後UCIのプロなりコンチネンタル・チームの一員として、それなりの人数の選手らが走るようになってから、なのよね。


まぁ、環境を整えて*2やれば、日本人でも当たり前にF1でもロードレースでも活躍できるし、環境が歪であれば、車や自転車で競争していても、それはF1やUCIロードではない、何か、にしかなんないよね、と。

*1:ブルホーンと言えどコンベンショナルなハンドルと、ポジションが変わる(変える)訳ではない。よって、コレをいった人は「見た目」だけのテキトーで言ったんだったろうな。ちなみに俺がコレを読んだのは雑誌の記事の一文。誰が言ったとかは記述が無くて、競技界の非科学さ加減を嘆いた記事だったと思う。

*2:特別にアレコレする、ってのでは無くてな。他国並みにフツーに、って意味で。