(´A`)<ハァ…

  • やっと息継ぎができる…。
  • まぁ、大晦日にもチョッとだけコミケとか行ってたんだけどね。でも、どっちかと言うと仕事に関係ある資料を買いにいった感じなんで、とても楽しめたとかそんなのでは…。
  • 先日も用事があって関西に帰ったのだけど、朝行って夕方前に帰って、夜は仕事という強行軍だったので、故郷に帰ってとか、そういうモノではなく。
  • やー、ネット上の自分の観測範囲の人らの評価に違わず、良い出来の作品でした、ハイ。
  • もう劇場公開も終盤なので内容書いてもいいと思うけども、まぁあれだ、アニメ風な書き方すると、「劇パト」に対する「劇パト2」みたいな。野明や遊馬ではなく後藤隊長や南雲さんの作品、みたいな。そう、確かに今作品のボンドガールは「M」ですなぁ、と。
  • つかね、脚本が良くできてるよねー、と。気の効いた台詞、英国流な言葉の応酬、良いですなぁ、と。しかも良く練れている。無駄な台詞がほとんど無い、みたいな。
  • 冒頭、ボンドが、ちょいポンコツになって復帰試験を受けるのだけれど、射撃試験で「左に」外すのね。
    で、それが物語終盤のある場面で「あっ、そう繋げてくるかー」みたいな。しかもコレひとつでボンドの状態まで表してしまうとかね、よく出来てるなー、とか。
  • いやまぁ、あからさまに「整合性」が取れてない所もあるんだよ?そもそも「今の」ボンドがシフトレバーに赤ボタンの有るDB5を隠し持ってるのは、整合性もヘッタクレも無いよな、と。
  • けどまぁ、楽しいじゃないの、ソレ。俺らは何かしらの「ボンド」を見ている訳で、コネリーやクレイグを見てる訳じゃないんで、「整合性」なんて物語には程々でいいのよ、気持ちよく誤魔化してくれる限りは。
  • とは言え、「気持ちよく誤魔化して」くれないと駄目なんだけどね。実は「プロメテウス」もダイアリーには書いてなかったけど、自分は見ているんだけど、あれは気持ちよく誤魔化してくれなかったし、また作品の風合いもある程度整合性をキッチリしておかないとね、ってジャンルの物だし。
  • 「プロメテウス」については項を改めるとして、しかし、近年のアクション物というか、ドンパチの多い作品は、そこら辺の伏線の張り方とか、話の繋ぎ方とか、とても凝っているのが多い感じがするんだよなぁ。
    それは、オレが感じてる範囲では「ボーン・アイデンティティ」辺りから、物語の流し方とか、「キャラの立て方」とか、凝ってる物が多くなってる気がするなぁ。
  • ダニエル・クレイグ版のボンドシリーズは、台詞の丁々発止が良いと思うんだよね。クレイグ版第1作の「カジノロワイヤル」も、前にも書いたかも知んないけど、ヒロイン役とボンドの初対面での遣り取りが良いですよ。ユーモア、皮肉、ブラックジョークない交ぜの「対決」でお互いのキャラクターをクッキリさせていた感が。
  • 2作目の「慰めの報酬」では、そこら辺の台詞によるキャラの立たせ方が弱い感じがしたんで、作品としてのパワーが落ちた感じがしていたんだけど、CS放送で去年秋頃からボンドシリーズの全作品を頻繁に流していたんで、「カジノロワイヤル」「慰めの報酬」を続けて見たら、ああ、2作目は「承」としての作品なんだな、と。で、ソレならば出来としては悪くないな、と。ただ(劇場公開時期で)1作目から2年隔ててみると「承」としての印象を持つのは難しいけどね。
  • そんな訳で、シナリオ段階で良く練ってあるな、と感じながら見ていたんだが、字幕の翻訳を見ると、そういう台詞の「粋」な感じが殆ど抜け落ちているのは何とも残念。
  • や、難しいとは思うんだよ?観る側に英国に関する基礎知識みたいなのも要るからさ。でもそこは、台詞を「丸め」てしまう必要ないと思うんだよね。見てて「ん?」と思えば、今の世の中、調べようと思えば何とかなったりするし。
  • 例えば終盤、「Welcome to Scotland」なんて台詞が出てきてそれがウィットがあって「良い」んだが、その状況に対して、さも当たり前な「台詞」に置き換わっていて、なんだかなぁ、とか。
  • 冒頭、「Agent down!」が「007が落下」とかね、いや難しいのは分るけど、そこでやっぱプロなら「なるほどぉ」と観客側が唸る様な「訳」を期待したいよなぁ。(追記:物語のテーマとしては「落下」の意味で良いと思うんだよ。真っ当な訳の「負傷」じゃ意味が弱いし、原語のdownも複数の意味合いに引っ掛けてある言葉だからね。でも、もっと言葉選びにエネルギー使って欲しかったなぁ、と。)
  • とかなんとか思いながら見ていたら、作品の最後に字幕翻訳者として、戸田のナッちゃんのお名前が…。やー、誤訳だ何だネットで言われて「んなら、まんまの訳にしたらぁ」って逆切れされたのだろうか…。
  • あと、画面見ていて「あれ?軍艦島?いやいや、マカオの設定だし…」と思っていたら、エンドロールで「漢字で」軍艦島の名前が…。調べてみると、ロケをした訳じゃなくて(まぁ、安全上あそこの中心部でロケは出来ないわなぁ)セットで再現して撮影したらしいんだけど、「2012」カミオカンデに続く軍艦島も日本として扱われない点が何とも残念というか、我が国の存在感の低下が云々カンヌン…。
  • まぁ、大体からして、パリパリの「戦える」F1ドライバーである可夢偉が国内から(個人のサポートは別として)企業レベルで碌に金出すところが無いって所からして…(ry
  • 閑話休題。あとね、今作品が特にだけど、アニメで言う所のレイアウトが凝ってるなぁ、と。また、単純に映像的な美しさとかね。
  • 例えば、上海でボンドが殺し屋を始末する場面。上海の超高層ビル群の壁面いっぱいに明滅する電光掲示が、両者が対決するビルのガラス内装に乱反射するさまが、何とも美しいし、乱反射がお話の「仕掛け」にもなっているとか。
  • また、シンメトリーなレイアウトが、作品の登場人物に心理的プレッシャーが掛かる場面で採用されているな、とか。まぁ、様式としては目新しい訳じゃないんだけど、ボンドシリーズの映画としては今まであまり無かったよね、と。
  • そんなこんなで、ええ、面白かったっすね、「スカイフォール」。なるたけ字幕版で見て、頑張って英語の断片でも耳に残るように見たら、なお楽しい。そんな風に思いましたよ、ハイ。