諸々、ようやっと

片付いて、まともな休日を過ごしている。
ここ1、2年は「どーしてもアカン」てくらい具合が悪い時以外は、土日祝日関係なくPCの前に座ってきたので、1週間やそこら休みにした所でドッて事もないよな、とひたすら睡眠をとる生活。


夜もソコソコ寝てるのに、昼寝した上に、次の夜も定時に眠たくなって寝る、という。
それも気持ちよく寝ていられるのが良いところで。
経験上、身体や精神に具合が悪い所があると、体を休ませようと睡眠をとっても、気持ちよく寝られないので、ありがたいな、と。

ゼロ・グラビティ」を

友人に誘ってもらったので、IMAX3Dで観てきた。


で、その感想はシンプル。
「や、凄い映画ですね、コレ。」というもの。

  • なんかね、「映像の力だけ」でここまで魅入らせる映画は、そうそう無いなぁ、と。
  • 加えて、IMAX3Dの為に作ったような、立体映像の良さを存分に味わえる映画でもあるな。その、実に地味なところで「立体」の良さが出てる*1なぁ、と。
  • や、当然、脚本だって演出だって俳優だって素晴らしいから、こうも魅入ってしまうんだけど、映像をメインに据えてるのは明らかよなぁ。
  • あと、極力ワンカットで撮影してるってのもね、凄いね。主人公観点に観客を寄せてしまう、という演出には不可欠だったんだろうなぁ、と。
  • つか、エンドクレジットで、見かけない監督名だなぁ、なんて思って帰ってからググってみたら、アルフォンソ・キュアロン氏ってあの「Children of Men(邦題:トゥモロー・ワールド )」の監督さんだったのか!道理でワンカットな訳だ!*2しかも、ボーッと見ていたら気が付かない様な、自然なワンカット長回しなんだよね。
  • しかし、冒頭の遭難に至るシーンはごっつ怖かったなぁ。周りの風景がグリングリン回って止まらない、やがて自分ひとりだけ漆黒の闇を自転しながら、どっかに流れて(つか飛んで)行くってのが。2001年のフランク・プールが飛ばされる、回収されるシーンも俺怖いんだよね。なんか空間にプカプカ浮いている*3のって、俺怖いみたいね。
  • 宇宙クラスタ辺りでは、「ココやアソコの物理法則の無視加減が…」て話があるのは知っていたけど、まぁ、その位は、おお目に見ないと、物語にならないでしょ、見たいな。
  • とはいえ、「作用・反作用のレベルでおかしい「山岳もの」っぽい演出のシーン」は実は見ている間は自分は余り違和感無く見ていたんだよね。「臭めの演出だな」とは思っていたけど。あのシーンに直感的に違和感を覚えないってところが、俺の「ニセ理系」っぷりを表しているよな、と。
    • しかし、帰ってから思ったんだけど、あのシーン、ライアンがパラシュートの紐に足が絡まって、ISSとの相対速度が「ゼロになった」のなら、マットは何処に落ちていってるねん、て話にはなると思う。
    • けど、脚と紐が食込んでライアンがISSと「直結」状態にならず、絡まった脚と紐がズリズリと動摩擦で滑っている、と考えたらどうだろう。
    • 紐がズリズリと滑ってる間に、(ライアン+マット+200kgのMMU)掛ける速度の2乗の半分ぶんのエネルギーは、紐の摩擦で熱エネルギーに変わっていっている。
    • でも、紐の長さ分で止まりきれ無さそうだから連結綱を切ったと。で、紐の残りの長さ×摩擦力>ライアン×その時点での速度の2乗のエネルギーとなった、とか。
  • でも、仮にそうだとしても、カットの繋がりとして「動摩擦で滑り続けている」って表現が弱かったと思うので、いち視聴者の勝手な解釈ではありますが。
  • あ、その前に俺は「ニセ理系」なんで、誰か上のエネルギーの関係が合っているかどうか検証して!
  • あと本作のCGとか撮影について考えてみると、カメラ位置も演者も無重力空間(微小重力とか色々言い方があるのは知ってます、はい。)をグリングリンと動き回る本作では、役者を立たせて、その前にカメラを構えたカメラマンが立つ、みたいな普通の撮影は鼻から無理だなぁ、と。
  • て事は、プレビズでカメラの動きとキャラクターの(仕草以外の)体全体の動きはバッチリ決め込んでないと撮れないよなぁ、と。
  • そこら辺の決め込み具合は「Children of Men」以上になる感じがするな、とか。
  • で、ググってみた。

Gravity | Framestore
How Did Gravity Do That? The Secrets Behind Its Groundbreaking Special Effects

  • ちなみに上は、VFXを取り仕切ったと思わしきFramestore社のHP。
  • 下の記事によると、監督は撮影に入る前に、1カット1カット、プレビズで映画全体を作り上げてしまっていた、と。なんならジョージ・クルーニーサンドラ・ブロックのアフレコでアニメーションVerを作れるほどだった、と。
  • まぁ、そうでもしないと、「LightBox」でCGIで作り出した環境光を役者に照らす、なんて事出来ないよね、と。
  • つか、ふつうは、全天球HDRIを撮影して実在の環境光をデータ化して、それでもってモデルをHDR based lightingして、ああリアルなCGIができた、となるんだけど、今作はその逆をやってるみたいな。
  • まぁ、乱暴な書き方すると、全カットCGに役者の顔だけ貼り込み、って感じだよな。(や、その「貼り込み」が半端無く困難なんだろうとは思います、はい。)
  • 役者関係では、Wikipediaでは、やはり撮影されてるのは、クルーニーとブロックだけみたいな感じだなぁ。残りの人らは声だけだし、シャリフでさえも「声のみ」になってるなぁ。て訳で、撮影は2人だけ!?
  • ミッション・コントロールの声がエド・ハリスって、まぁ何と言うか、如何にもというか、「Appolo13」というかジーン・クランツ偉大なりというか。
  • 関連して印象的だったのは、タイトルロールで、CGIスタッフの表記がかなり早いタイミングで出てきた事。フツーは役者がズラズラ並んで、演出とか脚本とか撮影とか照明とか並んで、その後でCGIだったりするんだが、役者(しかも2人だけだったかな?)の次くらいに出てきたような。


いやはやアレです、ナカナカに凄い映画です。
ナニか気が付いたら追記する事にします。

*1:「観客めがけて何かがシュッ飛んでくる」みたいな有り勝ちな使いでなくて、巨大なマス(スペースシャトルISSとか)が遠くから長い時間かけて迫って来て、手前でグワァーとパースが開く、みたいな所

*2:トゥモロー・ワールド を見ればどういう意味か分かります。

*3:や、ISSが秒速7kmくらいで飛んでるってのは分かってますよ