原発事故の

政府事故調査委員会ヒアリング記録が公表されたみたいで。
ネット上ではアサヒガー、ネツゾウガー、フンダララーと喧しいが、自分は「実際に起こっていた事」しか興味が無いので、pdfをDLして斜め読みしたり。
とても全部は読み切れないのだけど、でも、何か新事実が発見されたとか、そういうのでは無く、大まかな事象は既に公開されている資料や記事通りの進行だったのだな、と。

  • インタビューの書き起こしになるんで、読む方としては細かい所は色々抜け落ちるんだろうけど、それでも色々とインタビューイーの人とナリみたいなんが出るんだなぁ、と。
  • とある政治家は、ひたすら権限問題に汲々としている様を読むにつけ、ああこの人は官僚のままであった方が良かったんじゃね?ただしあまり権能の無い立場だとありがたい、みたいな。
  • この方は、前の選挙のとき、俺なりにネット検索かけて複数の情報からプロファイリングして、結果、票を入れなかったんだけど、その判断がそう間違っていなかったのが逆に驚き。
  • でも、別の政治家さんは、成程、権限外の立場から急遽その立場に据えられただけの事はあるな、と。本来の“たてつけ”が機能しなかったので、臨機応変に直接対応に切り替えた、とかね。
  • 現場の所長さんは、まぁ大変だったよな、と。俺は事故当初のダイアリーに現場の事を「鉄火場」と書いたんだけど、当然だよな。しかし、初動対応で反省点など述べられていたりもするんだけど、俺は、あの地震が起こった時点で、現場でメルトダウンを防ぐとかは無理だったんじゃないかなと思っている。というか、事前に「まさかあんな風な災害は起こらないだろう」と思っていた時点で、ああいう風な進行にしかならなかったという事じゃなかな。
  • その意味では、事故の前から国会などでは原子力発電所津波被害の指摘など出ていたりしていた訳だから、事故後の今で言う「放射脳」な意見を、推進側は少しは取り入れるべきだったよね、と。


具体的な記述で興味を引いたのは、自分は事故当時

これは受け売りでしかないけど、じゃあ海水を注入するとして、そんな配管あるのか、と?で、そのための作業に作業員が、配管なり格納容器近くまでアプローチする必要があると思うんだが、そんなこと出来る環境なのか、いま?

なんて書いたんだが、

○質問者   <筆者前略>  これに代わるものとして、消防車による注水を検討することになっているということで、実際にそれでやられていると思うんですが、送水口があって、そこに消防車のポシプを入れることによって、タービン建屋の外から送ることができるわけですね。この送水口自体は、後付けというか、後からできたものですね。これはいつ、どういうきっかけでできたものですか。
○回答者 私はそのころにこれのデザインに携わっていないんで、細かくは知りません。  <筆者中略>  後から調べると、シビアアクシデント対応でいろんな対応をする中で、FP を外から入れるラインをつくるということで、ですから、平成13年ぐらいにできているんだと思うんです。
○質問者 これは後からの話でも結構なんですが、外から入れるということですと、外から何で入れるということを想定したんですか。
○回答者 その時点で設計した人が何を想定したか、ちっともわかりません。はっきり言って。多分、消火栓だと思うんです。消火栓から入れるという単純なことを考えて設けたんだと思うんですけれども、消火栓そのものが今回ほとんどだめだった。設計した人は多分、消火栓を使うということ。本来、それもだめだったらと考えると、消防車要りますね。この消防車は中越沖地震の後で購入したものですから、それまで消防車はなかったわけです。ですから、消防車がなくて、消火栓がつぶれていれば、そのラインも使えない。 何の冷却にもならない状態で、3台、消防車があって、そのうち1台は壊れたんですけれども、2台は何とか使っていこうということにできたぎりぎりのところです。デザインした人は多分、消火栓から持っていくんだということで、このラインをつくったんだと思うんです。

<筆者中略>

○回答者 これも防火水槽ということで、中越沖地震のときに柏崎の3号機の変圧器が燃えましたね。
○質問者 私は後から見に行きました。
○回答者 非常に真っ黒けになって、NHKが御丁寧に報道していただいたんで、全国の方が燃えているところと黒い煙を見ていらっしゃると思うんですが、あの後、原子力発電所には消防車もないのかということで、えらいバッシングに遭いまして、消防車を買った。それと同時に、防火対策をもっとしないといけないということで、防火水槽を、水源を、発電所内に升をつくったのはその後なんで、す。 ですから、消火対策にこれだけ力を入れたのは中越沖地震の後です。この升も何か所かあれした。
(引用元:吉田 昌郎 東京電力福島第一原子力発電所長 2011/7/22 事故時の状況とその対応について p.24)

なるほど、そういう事だったのか…。
後段で、この消防車での注水は、実際に崩壊熱の除去にどれほど効いていたのかは分からない、と言う事なんだけど、そういった送水口があってポンプ車が有ったのは、たまたま偶然だったのだなぁ、と。