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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』を
観てきた。
封切り当初は、「最狂のノンストップ・アクション」「V8を讃えよ、ヒャッハー」的な評しか目に付かなかったので、まぁレンタル出たら借りたらいいか、なんて思っていたんだが。
ここ数日、「や、これは色々と深い、知性ある作り手による理屈抜きの娯楽映画」なんてコメントを見掛ける様になったので、衝動的に行って観てきた。
- なに、最近のIMAX3Dって、偏光眼鏡って買取なの?まぁ、以前IMAX行った時のレンタルの奴より軽くて、「見え」も問題なかったのでいいけどね。
- や、そんな事はどうでもよくて、ホントに脚本と演出と編集が、物凄く練られた作品だなぁ、と思いつつ鑑賞させて頂きました。
- 凄いのはね、「アクション満載のバカ映画」と見ても別に間違ってはいないのよ。けど、観る側の関心事とか、思想的傾向とか、境遇とか、色々な切り口で、色々なメッセージを受け取る事も出来る様に作ってある、って事で。
- で、そんな風に、人によって色々な見方が出来て、それぞれに観終った後もチョット考える事が出来て、しかもアクション娯楽で観た人が「凄かったねー」なんて映画館で呟きあっていたりするんだから、こりゃトンでもなく良く出来た作品ですよ。
- でも実は、プロットは凄く単純なんだよなぁ、この作品。だけど脚本というか演出と言うかが、物凄く念入りで、それ故、1カット1カット、そのカットが、そのカットに出てくるデザインやキャラクター存在が、画面に出てくる明確な理由があるのよな。
- だから、伏線が張られまくりなんで、決してボケッと観てられる映画ではないのよね。
- 例えば、「witness me」という台詞が作品前半であって、同じ台詞が作品ラストで登場するんですが、その同じ台詞の意味合いが反対とは言えないが、全く異なった響きをもって呟かれる、とかね。
- そんな、1カットも見逃せない的な緊張感は、『裏切りのサーカス』(Tinker Tailor Soldier Spy)にも感じた事だなぁ。で、此方もマックス役のトム・ハーディが準主役のリッキー・ター役で出ていますな。
- そんなマックスも、作品のラスト瞳に光が戻って来ると言うか、表情が引き締まってくると言うか。
- けど主役メカの筈のインターセプターは…、まぁシリーズの他の作品でもそうだけど、案外見せ場が少ないというか、ケレン味のある使い方されてないのよなー。「俺のクルマだろ!」じゃちょっと困る、冒頭でもっとアクションさせてよ。
- 主人公といえば、アバンからメインタイトルまでの短い尺に、作品の世界観というか風景、主人公の抱える内面、物語の流れ出し、それらがコンパクトに纏められて過不足無く、しかもスピード感のある展開でメインタイトルがバーンと出てくるので、そんな所に俺は「オオッ」なんて思ってしまいました。
- また、なんつったってヒロインのフュリオサ大隊長はカッコ可愛いというか綺麗というか、男前美人というか。
- あと、出てくるクルマというか、マシーンがどれもキッチリとデザインされていて、ああ時代が進んで洗練されているのだなぁ、と。前のシリーズのマシーンは「改造」はされているけど「デザインされている」とは思えなかったからなぁ。
ま、取敢えずこんなトコで。