先日、

所謂、安保法案が与党により強行採決されたみたいですな。
後になって「この様な事態に陥ったのは、国民「みんな」の責任なんです」なんて俺は言われたくないんで、書いておこうか、と。




とは言え、ネット見ていると、野党が国会内でプラカード掲げて抗議している様や、街頭でデモしている人を揶揄しているツイートやらも結構目にする(しかもプロファイル的には真っ当な社会人っぽい)ので、あー、こらアカン、と。
国政、しかも憲法違反絡みのソレの評価を「マナー」や「見映えが良い悪い」程度のスケールの問題に矮小化していいもんじゃないのよね。


まぁ、共産辺りの「戦争法案」に反対なんていうキャッチも、正直なところコトの本質を見失わせているな、とも俺は思うんだけどね。



むしろ、今回の一連の法の一番の問題点は、『たまたま現在の』政権を預かっているだけの内閣の、“(憲法解釈の)最高の責任者は私だ”と宣う『いち首相の判断』という、「チンケなモノ」が、憲法のファンクションを破壊している、という事でね。



憲法ってのは、取扱い厳重注意の「権力」を、市民に役立つ使い方をする為の「リミッター」なんだな。
だもんで、硬性憲法ならば改正するにもハードルが高く設定されているし、軟性憲法なんつー言葉が表しているように継承性なんかも大事よね、といった運用が所謂「先進国」では成されている、と。
つまり、憲法てのは、閣議如きでコロコロ運用を変えるものでは、そもそもない、というコトなんだな。



大体、今まで個別的自衛権しか行使しないとしていた所を、閣議で決めたからって理由で「集団的自衛権もチョビっとならOKだろ」なんてやった挙句、てめーらの政権が倒れて次に正反対の政治性をもつ新政権が出てきたらどうすんねん。
そいつ等が「自民的な政治活動は禁止な。閣議で決めたし、先例も有るんで問題無いから(キリッ」なんてやったらどうすんねん。



「そんな事いってたら中国ガー、朝鮮ガー」なんつってる人もいるけど、我が国が他国に攻められたら「個別的自衛権」で反撃すればエエやんけ。アメリカは(向うの議会が承認したなら)現行の安保条約で助太刀してくれる手筈だろ。
チョッとだけ集団的自衛権を行使するかどうか、なんて事なんざ、何の関係もあらへん。*1


そういや、政府が記者会見で、「紛争から救出された邦人が乗っている米艦船に攻撃が仕掛けられたとき、これに反撃する」のに集団的自衛権が必要なんです!、なんつー例を絵解きフリップで示していたが。
や、何に乗ってようが「邦人」に攻撃が仕掛けられているんだから、「個別的自衛権」を十分に発揮して「邦人」を守れよ、と。
それ以前に、そもそも紛争に巻き込まれた「邦人」は、米艦船でなく、「我が国の護衛艦」で救出せんかい、と。
聞く所によると我が国の大使館は、当該国で紛争が起こっても邦人脱出について何もしてくれないてな話を良く聞くので、俺はそれならば大歓迎だけどな。


(つか、レバノンでドンパチが起こって、当地の米国人を海兵隊が救出する際の映像を見たことがあるんだが、揚陸艇の乗船時にパスポートの提示を求められて、米国人である事を確認のうえ舟に乗せていた。なので、俺なんかは「邦人を乗せた米艦船」なんて状況が嘘くせーというか、起こっても極めて稀な気がするんだよね。)



ま、要はさ、言ってる事もそうだし、やってる事もメタメタで無茶苦茶なんだよね。
だから今回の法案その物は当然だけど、むしろ問題は、この国の国会で答弁を通して政府が“論理破壊”を恥ずかしげもなく行っていて、ソレを誰も止める事が出来てないという状況だろう。
さしずめ「真理省話法」が現出しておる!といったトコだな。

*1:もう一つ付け加えると、昨今は米軍も人民軍も共同演習なんてのをする間柄だし、そもそも互いに経済的繋がりも大きいのだが、そんな国同士が、経済的にも落ち目の極東の島国をめぐってドンパチしてくれるとでも思っている方が、俺には不思議だな。